「開かれた経営」で先進的製造業を素材供給面で応援

野水鋼業(株) 代表取締役 野水俊明氏(鎌ケ谷白井支部)

 野水鋼業㈱三代目経営者、野水俊明さんを訪問しました。同社は、ステンレス・アルミ等の棒状の金属材料を仕入れ、顧客先の希望に応じて切断加工し販売する、創業61年目を迎える歴史ある企業です。大手の製鋼メーカーでは効率重視でロットの単位が大きく、しかも納期が長いため、小ロット・短納期が可能な同社の持ち味が中小製造・加工業者にとってあり難い存在です。

 東京で創業した祖父は、昔気質で無借金という点では「堅実経営」の反面、少数の従業員による家族経営を続け、それを引き継いだ2代目経営者の父、野水俊夫氏(千葉同友会理事・中同協政策副委員長)は、「会社らしい会社に」したいとの思いから、社員を育てること、会社には経営理念が大事と、①開かれた経営で全員参加の学習型企業を、②仕事の進め方は顧客第一主義、③環境に配慮し、社会に貢献」を経営理念として掲げ、近代的経営に脱皮。社員数も60名を超え、年商35億を数えるに至りました。

 俊明氏は、理系の大学を卒業後、別の会社でシステムエンジニアとして勤務。跡を継ぐという意識はなかったものの、2005年28歳の時、父から「同じ苦労をするなら自分で会社経営をした方が、結果が自分に跳ね返ってくるのでやりがいがあるのでは」との打診を受け、『当てにされていたんだ』という嬉しさの反面、不安も一杯。それでも大きな会社で小さな歯車として働くより、やりがいがあるという想いから入社を決意。入社後、営業・商品センター長・福島センター長・専務取締役/営業部長等を経て、2年半前に38歳の若さで代表取締役に就任。父の確立した路線を継承・発展させるべく、理念を大事にする組織的運営をめざして、諸制度の見直しや若手社員中心による中期経営計画策定等に着手し奮闘中です。

 また、2007年には千葉同友会第14期経営指針成文化セミナーに参加。2009年には千葉同友会の手賀沼支部に参加するなど、経営者としての勉強に余念がありません。

 「御社の今後の課題は?」との問いに対して、「若い社員が多い反面、ベテラン社員が少ないこと。社員アンケート調査では、自社の良い点は、『有休のとり易さ』や『働きやすさ』は上位ですが『働きがい』が下位なのが気になります」との答えが。自社の使命として掲げる「日本の先進的製造業を素材供給面で応援し続けます」の内容を、具体的で豊かなイメージとしてとらえることが大事ではという感想をもちました。

 若い社長を中心に、時代が求める新しいステージをどう作るのか、期待するところ大です。

        (専務理事 川西)

◆会社概要…鎌ヶ谷市新鎌ヶ谷4-1-1 資本金:7,800万円 従業員数:61名 事業内容:ステンレス等鋼材販売

 

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