【輝く中小企業の取り組み】本千葉の新たなランドマーク「カフェロブ」~空飛ぶクジラに乗せて、想いは広がる~

ハートロック(同) 代表 相澤 千佳子氏(美浜支部)

相澤 千佳子氏

 官公庁街や千葉大学などの文教施設が集まる本千葉。真面目な印象を受ける街ですが、オシャレな外観と甘い匂いに誘われ、若者でにぎわうスイーツ店があるのをご存じでしょうか。名古屋発祥の台湾パンケーキ専門店「カフェロブ」です。代表を務めながらコンパニオン派遣など手広く事業展開している相澤氏。これら事業の更なる可能性を信じて突き進む同氏の想いや展望について伺います。

なぜ経営者に?なぜカフェを?

 元々はホテルマンとコンパニオンのダブルワークだったという同氏。その経験を活かし、平成28年にコンパニオン事業を立ち上げたのが経営のはじまりでした。現在の土地は、以前は居酒屋が立っていて、自身もコンパニオンとして度々入っていたお店でした。当時のオーナーからの誘いで、お店を引き継ぐ形になったといいます。苦労する女性たちの姿を間近で見てきた同氏は、昼間も働ける場所をつくるため、昼夜営業の居酒屋として再スタートを切ります。宴会客には自社のコンパニオンで対応するなどサービス向上と効率化を図り、経営は軌道に乗っていましたがコロナが到来。官公庁街という土地柄、公務員をメイン層としていたため、それまでは歓送迎会などの需要が大きくも世間の自粛ムードから売上が激減、苦境に立たされます。廃業すら考えましたが、酒類を提供しなくてもこの土地でやっていく術を模索する中で出会ったのがフランチャイズ展開していたカフェロブ。まさに渡りに舟でした。すぐさま契約し、事業再構築補助金を活用しながら現在のカフェ業へとシフトしていきました。

スタッフは「宝」

左からご子息でシンガーソングライターの相澤洋平さん、ご令嬢の七帆さん、お孫様の梛乃佳ちゃん

 ご子息は、シンガーソングライターと名物店員の二足のわらじで活躍されていて、音楽イベントや映画などの出演が注目を浴び、パンケーキを焼いている姿をひと目見ようと各地からお客様が集まり、テレビの取材も訪れます。ちなみに店名の「空飛ぶクジラ」とはご子息の楽曲が由来です。また社員の方は調理や接客はもちろんのこと、新商品の開発にも力を発揮していて、スタッフらのポテンシャルと、FCでも国内有数の柔軟さとが上手くかみ合い、唯一無二のお店となっています。

抱える課題と挑戦の日々

 原材料の高騰にあえぐ一方で、購買意欲は減少傾向にあり、客単価の低下が一番の課題だと語ります。デリバリーではまだまだ奮闘していても親子で配達員の資格を取得など、どうコストを削減していくか試行錯誤の日々だといいます。ただSNSの運用に力を入れるなどお客様のニーズを掴む仕掛けをつくってきたことで売上を伸ばし、Uber Eatsの千葉市スイーツ部門では2位を受賞しました。

 また、カフェ業にシフトして1年目からテント販売を、昨年より県内各地でキッチンカーを始め、駅構内やお祭りなどでの外売りが増えたことで、認知度アップと地域との関わりを強めました。カフェロブの名が広がることで、周りから求められる声や他業態とのコラボといった事業の可能性の大きさに気付かされたとのことでした。

変わらぬ想いと今後のビジョン

 街の高齢化が進みますが、それでも若者の呼び水になっているカフェロブ。「これからも地域に根差したお店として、本千葉らしさを大切にしながらも盛り上げられる存在でありたい」と語ります。また、「今はキッチンカーやテント販売を駆使して遠方にも行けるようになったことで、雇用が増えました。その日その日のスタッフと触れ合うのが楽しみの一つです。ただ仕事をするのではなく、仕事を通して女性が自分の幸せを見つけられるような機会になってほしいと思います。私自身もシングルマザーで苦労してきたので、過去の経験やアイデアを伝えていくことで、女性にとって何か一つでも生活がラクになれるなら嬉しい」と話しました。起業した当時の想いを忘れずに、地域貢献と女性の活躍を胸に邁進する相澤氏とカフェロブに目が離せません。

(事務局 眞山)

♦会社概要…事業内容:カフェと業務請負の人材サービス・コンパニオン・配膳 所在地:空飛ぶクジラCafé Rob 本千葉店 千葉市中央区長洲1-24-9 竹島店舗1F 従業員数:3名(うち正社員1名、アルバイト2名) 入会年:2023年

 

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