【輝く中小企業の取り組み】パスタをつくりたいと思ったあの日から~地元で愛されるイタリアンレストランに

Inizio オーナーシェフ 髙安 朝也氏(千葉中央支部)

髙安 朝也氏

 本格的な料理から創作料理まで楽しめるイタリアンレストラン イニッツィオ。千葉県庁や千葉県警察本部、そして裁判所と様々な行政機関が集まるエリアに同店はあります。入店後、真っ先に目に入ったのはカウンターを始め、店内の至る所に並ぶ数多のボトル。さすが、日本一スコッチウィスキーがあるイタリアンレストランというだけあります。

外観
看板

はじまりは「パスタをつくりたい」とふと思ったあの日

 「元々飲食業で独立を考えていたわけではないんですよ」とお話しする髙安氏。過去、飲食店で働いていましたが、バンドマンとして活動する傍ら生活費を得るためのアルバイトに過ぎませんでした。そんなある日、ふと「パスタを作りたい」と思い、オープニングスタッフを募集していたイタリアンレストランにアルバイトとして入社。その後、お子さんの誕生を機に正社員として働き始めました。お店が東京だったため千葉から片道2時間かけて出勤していましたが、移動時間をもっと有意義に使いたいと考え、千葉での出店を決意します。

店名に込めた思い

 “Inizio(イニッツィオ)”とはイタリア語で“始まり“を意味します。英語でいう、”イニシャル“と似たニュアンスです。お店の名前に込めた思いは大きく2つあります。1つ目は「独立して心機一転、新しいスタートを切ったこと」。2つ目は「お店も自身も成長していくことで常に新しいステージの始まりに立っていたい」という思いです。

県庁前に出店した決め手はランチ

 約10年間の下積みを経て独立をした髙安氏ですが、なぜ人の流れが多い繁華街ではなく県庁近くで出店を決めたのでしょうか?その理由は、「官公庁エリアはランチタイムの来店が確実だから」です。その戦略は見事に的中し、お昼は大盛況となっています。また、繁華街と比べてお店の家賃が抑えられることも決め手のひとつです。

看板メニュー ラザニアの誕生秘話

名物のラザニア

 ランチ営業を始めた当初、メニューはラザニアを含めて5種類でした。ラザニアの注文が入ると、大皿で仕込んだものを小分けにして提供していました。しかし、もっと効率よくできないかと考え、仕込みの段階から小分けにすることで、より素早く提供できるようになりました。今やラザニア目的で来店されるお客様も多く、その背景には一体何があるのでしょうか?その答えはズバリ、お客様の口コミと反響です。同店はリピーターの方や紹介を受けて来店されるお客様が多く、それと同時進行でラザニアが絶品であることも広まり、人気を博す一品となりました。

 ランチ限定メニューでしたが、夜のメニューにも入れてほしいという熱い要望が寄せられ、ディナーでも味わうことができます。ラザニアは仕込みに手間も時間もかかる料理なので、提供しているお店は少ないそうです。

飲食店なのに日曜日は定休日!?

 飲食業と言えば、週末にかけて来店客数が増えるイメージをお持ちではないでしょうか。ところが髙安氏のお店は、日曜日が定休日です。その理由はお店を構えるエリアにあります。官公庁は土日がお休みなので、平日と比べるとランチもディナーもお客様の数は少なめ。お店を開けるコストの方が大きくなってしまうため日曜日はお休みです。その一方で月曜日と火曜日は貸し切りの予約が入る程の賑わいを見せています。

今後の課題

店内に並ぶ数々のスコッチウィスキー

 お店のスタッフは現在10名程おりますが、厨房は髙安氏一人で立っています。アルバイトで採用するスタッフは大学生が多く、卒業と同時に辞めてしまうので、どうしても不安定になってしまうとのこと。また、熱意のある人は都内のレストランに就職する傾向が高く、苦戦を強いられています。お店を継いでくれる人材を育てていくためにも、採用に力を入れていきたいと語られました。

 忘年会シーズンで繁忙期である師走に訪問させていただきましたが、快く取材にご対応くださいました。生活費のためのアルバイトから始まり、「パスタを作りたい」と思ったあの日を機に本格的にイタリアンの道へ。2015年に独立し、今や沢山の方に愛されるお店へ成長させた髙安氏。今日も同氏の作る美味しい料理が、お店へ足を運ぶ人に笑顔をもたらしています。

(事務局 松本)

♦会社概要…事業内容:日本一スコッチウイスキーがあるイタリアンレストラン 所在地:千葉市中央区中央4-13-13 なのはなビル1F 従業員数:パートアルバイト:10名 入会年:2023年

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