人と人とをつなぐデザインで、人と町とをつなぐ
プラスエム 共同代表 堀井政利氏(佐倉支部)
今回は京成佐倉駅から歩いて10分のところに事務所を構えるプラスエムにお邪魔しました。共同代表の堀井氏は30才からの15年間、イタリアのデザイン会社でグラフィックデザイナーとして勤務したのち、奥様の地元である佐倉市に戻ってこられました。佐倉市の歴史的な情緒あふれる城下町の雰囲気を一目で気に入りましたが、同時にシャッター通り化している商店街を目の当たりにしました。
日本に戻った当初、海外と日本のデザインに対するスタンスの違いから自身の今後について葛藤する日々。同氏はデザインの仕事をやめてしまおうかと考えたこともありました。ですが住民の方々との出会いの中で、残すべき古き良き街並みが消えてしまう危機感と自身のデザインに対する思いに気が付きました。そして自身が好きなデザインという仕事を町おこしに活かせるのではないかと思いつきました。今では思いを共有する仲間と共に、クラシックカーのイベントを始め、地域を活性化させる様々なイベントの企画、運営、広報からポスターデザインまで手掛けています。
他にも老舗の茶販売店のロゴや商品パッケージなどのデザインにも取り組んでいます。レトロな雰囲気を軸に、お茶の伝統的なイメージを保ちつつ若者も手に取りやすいよう洗練されたデザインとなっています。「レトロはとても有用な手段だと思っています。なぜなら、レトロは誰とでも距離が近いからです。年配の方にはどこか懐かしい感覚、若い方たちには非日常で特別な感覚を与え、価値観の違う両者どちらからも受け入れられます。つまり、この土地の風土や歴史を活かして、活気ある町おこしのキーワードになるのではないでしょうか。」そう朗らかに笑う同氏から町や人に対する温かさを感じ、今後の活動に大きな期待を抱く訪問となりました。
(事務局 関根)
◆会社概要…所在地:佐倉市新町195 事業内容:デザインを通して地域の企業、団体様の活動のお手伝い