時代と共に変化する会社 次代をめざした二代目のとりくみ
(株)富井 常務取締役 杉浦 詳子氏(松戸支部)
現在、松戸、柏、我孫子に8店舗、2工場を構え、ピーナッツサブレーを看板商品に千葉土産屋として地元で広く知られる富井の五香本店を訪ねました。
同社の始まりは1973年。杉浦詳子常務の父でもあり代表を務める孝夫氏が立ち上げました。当時は、アンテナショップのような同社は珍しく、また、地方から上京した方のベッドタウンだった松戸ということもあり、帰省時の土産需要に支えられ着実に店舗を増やしてきました。
杉浦常務は菓子専門学校を卒業の後、関西にある和菓子屋で5年間修行し、2004年に富井に入社。修行時の会社を参考にしながら、自社の改善を進め、特に社員の育成と採用を見直してきました。
現場での人間関係を理由とした退職をなくすために、店長会を定期的、計画的に開き、人材育成やチームワークづくりなどの共有化を図り、働きやすい職場づくりを進めました。
また、2010年より工場要員の確保のため高校新卒者の採用に取り組み始めました。新卒者採用により社員同士が作業を教え合うことで、助け合う風土が生まれたと杉浦氏は話します。また、これまで会社の歴史や商品のコンセプトなどを伝えてこなかったことに気付き、売り場のパートの方を含めた勉強会や工場見学会を始めました。この取り組みをとおして、自社で働くことのやりがいを持ってもらうとともに社員同士の親睦を深め、接客やサービス向上に努めています。
近年、お歳暮やお中元品を贈る風習が弱まってきたと話す杉浦氏。そこで、ちょっとした集まりの際の手土産用に、春は桜、夏はブルーベリー、秋には栗やかぼちゃを使った季節に合わせた菓子や店舗限定品づくりを積極的に行っています。
また、30年以上前から帰省土産の需要に応えるために漬物類や鰯加工品・醤油等、千葉の物産品を取扱い千葉県色を強めた店づくりを進めています。
これからの時代にむけて社内改善、商品開発に、二代目として生き生きと手腕を発揮されている様子が伺えた訪問となりました。
(事務局 牧本)
◆会社概要…所在地:松戸市金ヶ作408-328(本店) 資本金:2000万円 従業員数:90名(うちパート・アルバイト72名)事業内容:菓子の製造・販売・卸売