日本ではじめての押しボタン式電話機をデザイン

(株)ソフケン 代表取締役 駒村 武夫氏(鎌ケ谷白井支部)

 いまでは当たり前の押しボタン式電話機。ダイヤル式が主流だった1965年にボタン式電話機のデザインを日本ではじめて手掛けた駒村さん。当時は大手電機メーカーに勤める工業デザイナーでした。

 その後、上司と折が合わず、「君は中小企業向きだ。君が望む良い仕事をしたければ中小企業に行きなさい」と言われ転職の後、1983年に独立しました。独立のきっかけは、知り合いの弁理士から「世の中にはアイデアはあるが、それを実現させる技術がなく製品化されないものがたくさんある」と聞き、世の中から必要とされるものを形にしたいという想いでした。受託開発から始め、その後、親指にはめて使うことで指圧の力が3倍以上になる健康アイテムや微細加工された爪楊枝型歯間ブラシなどの独自開発商品で業績を伸ばしてきました。

 現在、主力となる商品は、同社独自のアルミ製のポスターフレームやアルミフレームを独自技術でつなぎ合わせパネルをはめ込んでつくるオーダーメイドのテーブル、パーティション、ミニルームなどです。

 「大手企業では取り組めない、細かなお客のニーズを形にしていきたい。そのためには営業担当者はお客へのインタビューアーになることが大事。物売りではいけない」と駒村さんは言います。

 駒村さんは2年程前に病気で入院を余儀なくされ、会社不在が続きました。その間に駒村さんのルーティーン作業は社員が行ってくれていました。退院後は社員が受け持つことで空いた時間を利用して、これまでは取り引きのなかった分野との連携を求めて、同友会会員の紹介を受けて某病院へ出向き研究を重ねてきました。

 『医工連携』は創業当時からあった駒村さんの想いでした。「この連携を可能にしたのは、これまでの信頼と技術の蓄積があったから」と話す駒村さん。経営理念に謳う『暮らしに役立つモノづくりの会社』を実直に追求し、創業から35年経ってその想いが、いま形になろうとしています。

 

 

 

(事務局 牧本)

◆会社概要…所在地:白井市河原子240-34 資本金:2,400万円 従業員数:30名(内パート・アルバイト10名) 事業内容:工業デザイン、設計、製造、開発支援

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