解体によって生まれる価値と可能性〜50周年を迎えて〜

(株)フジカワ 取締役社長 藤川 太伸氏(野田支部)

 (株)フジカワは1962年に藤川氏のお父様がダンプ一台で創業した会社です。砂や砂利などの土木資材を運搬する業務から始まり、業務拡大を行う中で、現在は解体工事や外構工事・宅地造成工事と幅広く請け負っています。法人化してからはちょうど50年を迎えようとしています。

 藤川氏は専門学校を卒業後、別の土木工事会社に就職しました。造成工事や改修工事を数多く経験し、現場に対する自信がついていた頃、お父様から「会社に入ってほしい」という要請がありました。幼いころから会社を見てきた藤川氏にとって、会社に入ることは自然なことだったといいます。

 一旦はバブル崩壊の影響を受けて縮小していた同社でしたが、藤川氏が入社してから「下請けから元請けになろう」と、公共事業や土木工事を積極的に請け負う体制に変えていきました。前職で積んだ現場の経験が生かされて、仕事の波にも乗り社員数も約40名になりました。

 業務が広がり仕事も安定している同社ですが、メインとなる解体工事は参入がしやすいうえに、人口の減少と共に仕事の件数は減ってくるという見込みがあります。そのため新たな柱としてリフォームやリノベーションの分野に進出していきたいと藤川氏は語ります。もともと業界内でいち早く、コンクリートガラを破砕し再生砕石にしていた同社。今では解体により排出されるAS廃材やコンクリートガラはほぼ100%再資源化に回せており、リサイクルは進んでいます。

 しかし現在見据えているのは解体現場から発生する廃材を有効利用するなど、付加価値をつけていく仕事です。「解体をしているけれど、もともとモノづくりが好き。現場にある廃材や残置物を生かして別のモノに作り替えたり、廃材を利用したリフォームをしてほしいお客さんのニーズにも応えたりできないか、と考えています」と藤川氏は話します。慢性的に人材不足が続く業界で、ワクワクする仕事や年齢を重ねてもできる仕事の創出を考えていることが伝わってきました。

 (事務局 小山)

◆会社概要…所在地:柏市大室1-24-5 従業員:40名 事業内容:土木工事、解体工事、産業廃棄物収集運搬、建設資材販売、重量物運搬設置

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