停滞する自動車業界の底上げを目指す企業の挑戦〜社員の若年化と労働環境の整備〜

(有)サン・ボデー 代表取締役 窪田 秀幸氏(四街道支部)

 今回は四街道市で自動車の車体架装・板金塗装業をされている有限会社サン・ボデーの窪田さんを訪ねました。同社では、お客様から持ち込まれた車台を各事業に合わせてカスタマイズ。例として荷台幌シート・ボンベ配送車・ミニローリー取付などが挙げられます。

 窪田氏は以前、大手自動車メーカーに勤めており、同社の先代社長とは良いビジネスパートナーでした。時代の変化による経営悪化と先代社長の高齢化に伴う体調不良などが重なり、後継者がいなかった同社は廃業を検討されていました。親身に相談に乗っていた同氏は「仕事は自分がとってくる」と、大手自動車メーカーを退職し、同社への入社を決意。培ってきた営業スキルを発揮し、経営の下支えに勤めました。

 入社から4年後、先代の体調不良が深刻化したことを契機に同社を譲り受け、代表取締役に就任。ですが、経営者としてのスキルや知識を学んでいなかったため、不安と課題の連続でした。

 課題の一つに挙げられたのが「社員の高齢化」。基本的に持ち込まれた車体の設計図は手元に無く、職人が1から図面を引いて構図を考える作業。長年の経験とセンスが求められ、職人の育成には10年以上の月日を要します。当時の社員の平均年齢は75才。同氏は広い人脈を駆使し、社員の若年化を図ると同時に、教育体制の整備に取り組みました。結果、平均年齢は50才、社員数も6名から12名まで増員、更に設備の投資・拡大を行っています。

 「社員の若年化と増員している今、人事評価制度、社会保険の整備、就業規則の作成など、労働環境を整えていく必要があります。そのためにはプレイングマネージャーとして動いている自身の業務を見直していかなければなりません。ビジネスカーを作るにあたって、お客様と自動車メーカーの両方から”ここに相談すれば大丈夫”と思われる企業を目指していきたいと思います。」と同氏は熱く語りました。停滞していく自動車業界を底上げするには、同社のような中小企業の底上げが欠かせない、そう思わせる貴重なお話を聞けた訪問でした。

(事務局 関根)

◆会社概要…所在地:四街道市鹿放ヶ丘493-8 資本金:300万円 従業員:12名(うち、パート2名) 事業内容:自動車ボディ二次架装・改造・特殊車両製作・鈑金塗装・用品取付

 

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