【輝く中小企業の取り組み】社員と共に成長する会社
ワールドポール(株) 代表取締役 中川 享子氏(四街道支部)
ワールドポール(株)は、四街道工業団地の中にあり、公園や道路に設置する街路灯のポールを製作している会社です。現在では製品の幅を広げ、ETCの支柱やコンビニ看板の柱なども手掛けています。中川氏は2008年に事業継承されました。今回は継承してから今日までの社内改革についてお話頂きました。
事業継承の決意
中川氏が継承したころ、LED照明の普及により販売競争が熾烈化し、受注先の業績が厳しい状況になりました。ほぼ100%その一社からの受注だった同社の収益は下降していく一方でした。このままでは衰退の道しかないと危機感を感じた同氏は、社内改革をはじめますが、幹部社員が退職してしまう事態となりました。廃業を覚悟して若手の社員と話し合った際、彼らから「これからもここで働きたい」と聞いて会社を立て直そうと決意したそうです。
積極的な行動が社内の意識を変えた
その後同氏は外部に助けを求め、商工会や産業振興センターなど積極的に経営相談へ行きました。その中で社内が変わる出来事が二つあったと言います。一つ目は、中小企業大学校の実習企業に同社が選ばれたことでした。その中で、実習生が社員とディスカッションする機会があり、自社を客観的に観るきっかけとなり社員の意識が変わりました。例えば、以前までは仕方ないと思っていた製品不良も社員自らなぜなのかを考えるようになり、品質改善に繋がりました。
二つ目は、社外顧問との出会いです。定年で退職された方が、ご自分の経験を活かしたいと商工会に相談していたところに中川氏を紹介されたそうです。良き上司あるいはメンターとして同社の社員や業務にかかわって頂くことで社員が大きく成長したと仰っていました。
毎年6月の創立記念日には、社内ワークショップを実施しています。去年は「魅力ある会社とは」をテーマに社員全員で考えました。模造紙には「女性がいる職場」や「子供が工場見学出来る職場」など理想が書かれた付箋が沢山貼られており、そのためには「作業環境を綺麗にする」や「トイレをリノベーションする」など、すべきことも考えられていました。これらを今後一つずつ実行したいと同氏は語ります。
今後のビジョンについて
同氏は、第30期経営指針成文化セミナーを修了しました。2億円の収益を目標に掲げていましたが、その先をどうすべきかを考えるため受講したと仰っていました。将来像には、継ぎたいと思える会社、入社したいと思えるような会社があります。そのために、社員全員とビジョンを共有していきたいと笑顔で語ります。
今回お話を伺い、自身の積極性が周りの環境をも変えることが出来ると学びました。衰退させまいと突き進む同氏はとても力強く、憧れる経営者の姿がそこにありました。
(事務局 鈴木)
♦会社概要…事業内容:屋外照明用ポールの製造 投光器取付架台・アームの製作 所在地:四街道市物井598-7 資本金:1,000万円 従業員数:9 名(うちパート1名) 入会年:2023年