【輝く中小企業の取り組み】愛され続ける町の定食屋さん~代々受け継がれてきた想いが、また人を呼ぶ

長咲や 代表 増田 竜平氏(美浜支部)

増田 竜平氏

 千葉市内に2店舗を構える「長咲や」は、豊富でボリュームのある料理から、ランチタイムは常に盛況で、町の誰もが知る定食屋です。かつては閉店状態にあった店を受け継いだ3代目の増田氏、はじめは飲食での経験や経営のノウハウなど何も無かったと知り、のけ反ります。店の再起という一大決心の背景には一体何があったのでしょうか?長い歴史を持つ定食屋が愛され続ける秘訣とは?若店主に話を伺いました。

「長咲や」のはじまりから事業承継まで

 「長咲や」は創業1968年、増田氏のお婆様が千葉市中央区都町に1号店をオープンしました。自身の名をとって「そこに長く咲くようなお店になってほしい」という願いを込めたのが店名の由来です。朝早くから夜中まで営業していたため、当時から地域の学生やサラリーマン、水商売の方々など幅広い層に愛される店でした。にぎわう店内を前にして、幼いながらも店に強い愛着を持っていたという同氏。月日が流れ、店はお婆様の病を理由に一度畳んでしまいますが、「いざ祖母が完治した時に帰る場所を残してあげたい」という孫の愛情と、「この町には長咲やが必要だ」という使命感に駆られ、奥様とともに2014年、亀井町で再スタートを切りました。それまで飲食や経営には全く携わっていなかったという同氏、周りの支えを受けながらも独学で学び、勢いで今日まで続けてこられたと語ります。

代々受け継がれてきたメニューと店主の想い

大エビフライ定食

 全長30cmをほこる大エビフライ定食をはじめとする、今でいうデカ盛りが「長咲や」の看板メニューです。特に食べ盛りの学生からの注文が多いとのことですが、これらは初代の頃から提供しているメニューで、サイズ感も昔から変わっていないといいます。「お客様にはお腹いっぱいになって満足してもらいたいし、それが叶うお店だと伝えたいです。物価高騰の影響は強いですが、それでも料理の質だけは絶対に下げません」と生き生きと語るお姿から、代々受け継がれてきた想いが垣間見え、店の温かな雰囲気にもつながっているのだと感じました。

若店主のさまざまな挑戦

さばの味噌煮        もつ煮

 2年前には、2号店となる加曽利店がオープンしました。同店では、初代の頃のように150品近くの提供を実現し、夜はゆったりと過ごせる居酒屋としての顏もあります。増田氏自身が厨房と接客に立つことで、味のブレを生まないといった徹底ぶり。また、もつ煮や煮魚など真空調理した商品の製造拠点にもなっていて、亀井町店で提供されるメニューの仕込みから、さらには自社サイトでのEC販売やふるさと納税の返礼品などにも対応するなどセンターとしての役割も構築しつつあるのだとか。たとえ足を運べなくても店の味を家でも美味しく召し上がっていただければと、さまざまなニーズに合わせた事業展開をしています。

今後のビジョン

 最後に今後のビジョンについて伺いました。近い将来、3号店を検討しているという増田氏。今ある店舗とも異なる客層の獲得をねらうとともに、店舗間の連携をさらに強めていくことで、売上と品質、そしてお客様の満足度を上げていけたらと語ります。そのためには常に自分の目の届く範囲で動いていかないと不安だと、経営者であると同時にプレイヤーとしての未来の姿にますます燃えているのが伝わりました。千葉に来たらまずは「長咲や」へお越しください!

 

(事務局 眞山)

♦会社概要…事業内容:大衆居酒屋定食 所在地: 加曾利町本店:千葉市若葉区加曽利町1580-4 亀井町店:千葉市中央区亀井町1-15 ヤトミビル1F 従業員数:パート・アルバイト7名 入会年:2022年

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