【輝く中小企業の取り組み】お客様に寄り添った仕事が高く評価~外国人経営者・従業員を支えて~
(株)U.Mコーポレーション 取締役 月野 拳斗氏(松戸支部)
埼玉県三郷市にある(株)U.Mコーポレーションは、トルコの先住民族であるクルド人のゼンギン・ウムト氏が2020年に創業した解体工事会社です。
月野氏は、ウムト社長の父親が経営する会社で働いていたところ「一緒にやらないか」と声をかけられ共に独立されたそうです。
当時、月野氏28歳、ウムト氏は若干20歳でした。「独立当時、若さもあり野心にも似た気持ちで、社長と大きい仕事をして伸ばしていこうと話したのを思い出します」と振り返ってくれました。
外国人経営者ということで、新規のお客様相手など難しい場面もあるため、窓口の役割を月野氏が担っています。その他、営業、現場管理、事務申請など現場のかゆい所は全て任せてもらっているそうで、「仕事がら、産廃マニュフェストの発行など書類づくりは大切です。騒音や振動、リサイクル法の申請など書類不備で工事が滞ることがないように常に万全を期しています」と話してくれました。
外国人従業員との信頼関係
従業員は、下は18歳から64歳まで幅広く、トルコ、パキスタン、カザフタンなど国籍も様々、日本人は月野氏含め2名のみです。常日頃からお互いの信頼関係を大切にされているそうで、ご自身の経験を踏まえ、決して数字面だけでなく、仕事への熱意や姿勢を評価しています。「失敗は必ずあることですし、マナーなど最低限のことはしっかりと話しますが、自由度を持って仕事ができる環境を作ることでいきいきと良い仕事ができると考えています」と話します。
外国人従業員との関係について伺うと、「言葉の壁はあります。指示が伝わっていないこと、言った言わないといったことが起きますので、誰にどう話すのかを気をつける、問題が起きた時に放置せずに解決を急ぐことを意識して対応しています。異国から来て、日本になじもう、日本文化が好きな人ばかりです。日本人と同等かそれ以上の真面目さで仕事をしてくれています」と話してくれました。
常にお客様に寄り添った仕事
同社の強みは、お客様に常に寄り添った仕事です。個人客の場合、解体時に隣地との問題や仕事を進める中で想定外のゴミが出てくることもあるため、事前にしっかりと話をすることでトラブル防止にもつながっています。そうした丁寧な仕事ぶりの評価が、リピート率、紹介数の多さにも反映しています。
同友会で経営を学ぶ
同友会については「昨年、経営を学びたいと同友会に入会し、経営者の皆さんの考え方や率先して学ばれている姿勢に感銘を受けました。何より経営理念の重要性を学び、まずは、目の前の仕事をこなすにしてもこれは守ろうといった確認ごとを共有することから始めています」と語ります。
震災からの復興を祈って
最後に、能登半島地震についても触れ「昨年2月のトルコ・シリア大地震で社長の親族や友人の中に被災された方もいました。それだけに今回の地震に社長をはじめ従業員みな心を痛め、何か力になれることはないかと考え、募金など会社としてできる支援を行っています。一日も早い復興を祈っています」と話していただきました。
(事務局 逸見)
♦会社概要…事業内容:解体工事全般、産業廃棄物収集運搬、内装工事業 所在地:埼玉県三郷市戸ヶ崎3148-5 戸ヶ崎ビル2F 資本金:500万円 従業員数:14名(うちパート・アルバイト10名) 入会年:2023年