【会員企業の取り組み事例withコロナ】明治時代から愛され、新風を吹かす梨農家
(株)芳蔵園 代表 加納 慶太氏(船橋支部)
今回、船橋市で梨農園を営んでいる6代目園主の加納 慶太さんの元へ取材に行ってきました。
6次産業とSDGs
新京成線の三咲駅から近い県道沿いにある芳蔵園。お客さんは年配の方からファミリー層の方と幅広い年齢の方が足を運んでくれます。土日祝は道の駅感覚で立ち寄ってもらえるそうです。加納さんは中学生の頃から農園のお手伝いをし、大学卒業後に家業を継ぎました。お父さんは今でも現役で会社員として働いているそうです。農園では梨・ブトウの栽培を行っている傍ら、農園のブランディングと6次産業化に着手しました。また、フードロス削減にも注力しました。傷や色形を理由に畑で廃棄される梨を見て違和感を覚えていた加納さん。大学で規格外の野菜や果物を廃棄せずに有効利用することを学び、2020年に6次産業化を本格的に取り組み始めました。ドライフルーツやジャム、ジュースの委託加工を始めました。加納さんは「加工品を売ることは難しいがフードロス削減を価値にしたい」とお話しされました。
キッチンカー・FromFarm
2021年にフルーツサンドのキッチンカー事業を始めました。屋号は「FromFarm(フロムファーム)」。自園で育てた梨・ブドウのほか、近隣農家から仕入れた果物や野菜を使ったフルーツサンドが話題となりました。またSNSで映えることから地元の百貨店から声がかかり催事に出店する程の人気店へと変わっていきました。百貨店以外にも地元のイベントやバザーなどでも出店しているそうです。
FromFarm事業の拡大でキッチンカーでは手狭となり、休憩室として使用していたスペースを加工所に改造し、奥さんと正社員2人が商品開発を行っているそうです。フルーツサンドのほかに、パフェなどのスイーツを商品化しました。デパ地下の催事でケーキ缶の発売をしたことがあるそうです。ケーキ缶を販売した理由は自動販売機での取り扱いを視野に入れていたそうです。現在、習志野駅に直売所と自動販売機が設置されています。近々西船橋駅などにも台数を増やしていく予定だそうです。
農園カフェと農家が喜ぶ道の駅
2022年に芳蔵園を法人化し、企業としての経営を目指しています。梨の繁忙期が終わるのを待ってから今年の11月に「農園カフェ」のオープンを予定しているそうです。また、「ゆくゆくは農家が喜ぶ道の駅を作りたい」と笑顔でお話しされました。農家が生産に打ち込める環境を作ることをコンセプトにしたいそうです。今後は農作物の物流、加工、流通をシステム化し、生産者と需要者をマッチングできる農業経営者を目指していきたいそうです。「農家が喜ぶ道の駅」が出来るのもそう遠くない話かもしれません。
(事務局 市川)
♦会社概要…事業内容:農作物の製造、販売 所在地:船橋市二和東2-7-7 資本金:100万円 従業員数:12名(うちパートアルバイト10名) 入会年:2023年