【企業訪問記withコロナ】経営者として試された1年、守りから攻めの姿勢に転換
(株)富井 代表取締役 杉浦 詳子氏(松戸支部)
銘菓「ピーナッツサブレー」で知られる(株)富井の杉浦氏を訪ねてお話しを伺いました。
創業1973年、間もなく50年の節目迎える同社。昨年秋に社長就任した杉浦氏にとって大変な1年となりました。社長就任と時を同じく千葉を襲った台風・集中豪雨が落花生に大きな影響を与えました。「すでに落花生の収穫を終えているものもあり、台風で飛ばされたり、その後の大雨で水に浸かるなど大きな被害を受けました。幸いなことに、問屋さんがどうにか数を確保してくれたので乗り切ることはできましたが、落花生の質、量ともに厳しいものでした」と振り返ります。
落花生の全体量が少なく、その後の年末商戦も厳しかったところに、コロナが追い打ちをかけました。例年3~4月の人が動く時期にお土産品として選ばれていたのが自粛下で休まざるを得ない状況となりました。その後も月に1週間から10日間の工場休業などを挟んで8月まで乗り切ってきたとのことです。売上は、4月に前年比50%を切る状況に陥りますが、その後は徐々に上向き、9月は前年比8割まで回復しています。
イベントの中止など販促機会を失う事態の中での取り組みを伺うと、「3月からTwitterを開始しました。するとファンの方から素早い反応をいただき、とても嬉しかったですし、社内で共有し励みになっています」と話します。感謝のメッセージや絵手紙なども届いているそうです。
夏には思い切ってチラシを配布したそうで、杉浦氏は「正直この時期に出して良いのか、効果があるのか迷いはありましたが、やって良かったと思います。帰省のお土産、仏事のお供えに利用いただきました」と語ってくれました。
また、全国展開する大手衣料品販売店の感謝祭があり、県内店舗のお客様へのプレゼント品に「ピーナッツサブレー」が選ばれたことも全社の励みになっていると教えていただきました。
この1年を「色々と苦労の連続でしたが、経営者として試された1年だったと思います。先代の創業からの苦労を考えれば、言われるほどの苦労ではないのかもしれません」と振り返る杉浦氏。「今後は、伸びしろのある通販を充実させたいと考えており、受け身から攻めの姿勢に転換していきます」と抱負を語っていただきました。
(事務局 逸見)
♦会社概要…所在地:松戸市常盤平5-9-12 資本金:2,000万円 従業員数:86名(内パート・アルバイト70名) 事業内容:ピーナッツサブレー他欧風焼菓子の製造・販売・卸売