【企業訪問記withコロナ】未来の経営を守る~今できることから少しずつでも~
(株)池宮商店 代表取締役 池宮城 涼香氏(八街支部)
(株)池宮商店は1947年に同氏の祖父が創業した落花生加工製造会社で、同氏は3代目にあたります。八街市および富里市周辺地域に30町歩の落花生農家と契約しており、生産農家さんと常にコミュニケーションを取り、より良い落花生の生産に努めています。
「安全・安心」が求められる食品製造業において、今回の新型コロナウイルスは脅威そのものでした。同氏はいち早く、従業員の体調管理や出勤自粛等の対策をとり、感染予防に努めました。それから友人の助言を受け、国の支援策に目を向けてみると、あまり知られていない補助金や助成金があることを知りました。
その中の一つが「中途採用拡大助成」です。これは中途採用者の雇用管理制度を整備し、中途採用の拡大(中途採用率の拡大または45歳以上の方の初採用)を図る事業主に対して助成金が支給されます。ちょうど45歳以上の方を採用する計画があり、申請することを決めました。
助成金の申請は提出資料の多さと煩雑さから専門家に委託するケースも多いですが、同氏は自ら資料を作成しました。「今回の件で、コロナ支援に限らず、様々な支援があることを知りました。大変な状況ではありますが、視野が広がると同時に情報がどこにあるのかを意識するようになりました。あとはやってみること、それが大切だと思います。」と同氏は話します。
また昨年の台風19号の際、被害を受けた同社は「ものづくり補助金」の特別枠の対象でもありました。その申請と共に、今年も同規模の台風が来ると想定し、落花生の栽培や収穫を早め、安定的な生産を計画的に進めました。
台風や新型コロナウイルスのような自然災害はいつ情勢や会社経営を揺るがすかわかりません。今できることを見つけ、経験から前向きに対策を考え、未来の安全を守っていく。それが今後中小企業が生き続けていく活路になると実感した取材となりました。
(事務局 関根)
♦会社概要…所在地:千葉県富里市御料721 資本金:1,000万円 従業員数:40名(内パート・アルバイト34名) 事業内容:落花生加工製造全般