【企業訪問記withコロナ】昔と今と未来をつなげるお墓づくり~お墓をもっと身近で愛着あるものに~

(有)千代田家石材店 代表取締役 渡邊 裕氏(松戸支部)

 今回は、八柱霊園参道で石材店をかまえる渡邊社長を訪ねてきました。同社は昭和10年(1935年)に設立し、同氏で4代目になります。もともとは商社系の大手企業に勤めていましたが、お父様の体調悪化を機に会社に戻り、32歳の時に承継することになります。

 霊園参道には、葬祭関係の事業者が数多く点在しており、同社はそのなかでも端に位置し、簡単には集客が難しい環境ですが、業界の慣習に縛られない様々な改善を実践することで成長しています。最初はドアや窓の改装をして店内を明るくするところから始まり、HPを自作してネットからの集客にも繋げるなど、気軽に入りやすい環境作りに取り組みました。葬祭の業界は昔ながらの慣習が多く、少し敷居が高く、ITなどとも縁の遠い業界ですが、そのイメージを塗替えていきました。店内もまるで飲食店のような明るい雰囲気でした。

店内の様子

 事業にかける想いとして「お客様と永続的に墓守りをしていきたい。お墓は物だけど物じゃない。お墓との向き合い方で人生を豊かにもする」と話す同氏。お墓はどうしても必要に迫られて購入する場合が多いです。それこそお墓を持たないケースも近年は増えています。しかし、「お墓をもっと身近に愛着あるものでポジティブに感じて欲しい」と考え、お客との打ち合わせやアフターフォローの充実、更にはレザータッチのデザイン墓石など、愛着の持てる墓石作りの強化に力を入れています。

 コロナの感染が拡大するなかで、法事や打ち合わせは延期になり、葬祭業界は大きな打撃を受けました。しかし、同社では独自の取り組みとネットからのマーケティングを強化することで、カタログ通りのお墓ではなく個別の要望を持ったお客が来るようになり、どこかの石材店ではなく千代田家石材店を選んで来る人が増えました。また、同業社の縮小から職人の雇用にもつながり、寧ろコロナが今の取り組みの追い風になっているといいます。

 お客様が一番良い形でお墓と向き合えるお手伝いを使命にする同社。今後も独自の新しい取り組みを続けることで企業のブランドを高めるとともに、業界のイメージももっと良いものにしていきたいと展望を語る渡邊社長の躍進に期待が膨らみます。

(事務局 道山)

会社概要…所在地:松戸市日暮7-450 資本金:300万円 従業員:10名(うちパート・アルバイト3名) 事業内容:墓石設計・製作・販売、霊園の紹介・申込・仲介、埋葬・法要等

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