【企業訪問記withコロナ】工芸的なパネル表面加工の新たな可能性を~経営理念の実践~
ダイパネ工芸(株) 代表取締役 大久保 亘氏(野田支部)
大型パネルへの塗装やフィルム貼りといった表面加工を行っているダイパネ工芸。工芸品のように仕上げようとの想いから先代の父親が社名に「工芸」を明記し、45年前に創業しました。
取引先は建材メーカーなど、戸建ての外壁材やバスルーム壁材、店舗内外装パネルへの塗装の引き合いがメインで、面白いところでは新幹線の窓周りパネルの加工も手掛けています。
工場はラインでの連続製造のため縦長く、吹きかけ塗装を行う密閉ブースやフィルム貼合機が並んでいます。また、よりよいものづくりを追求するために実験室も設けています。
2015年に同友会の経営指針成文化セミナーを受講した大久保社長は、経営理念に「思いやりとチームワーク」「社員の幸せ」を謳い取り組んできました。風通しのよい会社を目指し社内会議を始めましたが、就業規則の改善要求などがあがり、労働争いが起き苦難続きでした。大久保社長は振り返り「これまでは、とにかく親から継いだ“会社を守る”という気持ちが優先で労働環境については後回しでしたが、この時に就業規則の見直しを行ったことで、社員のやる気と成長にもつながっていると感じます。正直逃げたかったですが、逃げられない課題と向き合ったことで、会社がまとまる一歩になりました。」と話します
コロナ禍の仕事への影響は、他要因も重なり、かなり大きいですが、外的要因にも耐えられる会社づくりとして、自社の強みを生かした小ロット・短納期の取り引きも積極的に増やしていこうとしています。また、経営理念に謳う「工芸的な大板づくり」の実践として、好きな色や柄に対応できる大板技術を生かして、看板の工芸的なパネルづくりも手掛けていこうと前向きです。
喜ばれるものづくりを社員と一緒に取り組んでいきたいと力を込める大久保社長の今後に注目が集まります。
(事務局 牧本)
◆会社概要…所在地:野田市木間ケ瀬2501 資本金:3,000万円 従業員数:21名(内パート4名) 事業内容:大型パネル塗装工場(パネルへの塗装、フィルム貼合加工)