【企業訪問記withコロナ】タイヤに、お客様に真摯に向き合う55年

(有)沼南タイヤ商会 社長 長谷川 寛一氏(手賀沼支部)

 長谷川氏は千葉県北西部を中心に創業55年になるタイヤ専門店を複数経営していて、タイヤであれば乗用車から大型トラック、バイクまで幅広く取り扱っています。現会長のお父様が開業した後、武蔵野沿線の開発に伴い、佐原・東京間の川砂の輸送が活発になりました。それゆえ、ここ沼南(現柏)地域を中継地点としていたため、トラックタイヤの需要が増えて、同社は発展してきました。2代目となる同氏は、自動車整備の専門学校を卒業後21歳で入社、40歳の時に社長を継ぎました。のちに白井市にも2店舗立ち上げ、その運営は兄弟や妹夫婦に任せています。

 お客様は法人が9割、個人が1割とのことで、法人が大半を占める理由に見積もり契約後に掛け売り形式をとっているからだそうです。幸いなことにタイヤ業界は新型コロナウイルスによる影響をあまり受けていないと同氏は話します。昨今においても新車は売れ続けていて、またデリバリー業界の普及も相まって車両の需要が高まっています。そのためタイヤの売れ行きは良く、外部環境に振り回されずに安定して事業を行っています。コロナ禍で宅配需要が急拡大したことから物流業界が活発になっています。今後、我孫子郊外にも物流拠点ができれば、会社もさらなる発展が期待されることでしょう。

 また、修理で使う設備は高額なものが多いのですが、市場には少し手入れをすれば十分使える設備が破格の値段で流通しています。それらを活用することで大幅なコストコントロールにつながっているとのこと。それは、設備の構造をよく理解し、日々の手入れを欠かさない同氏のひたむきな姿勢の裏付けと言えるでしょう。

修理で使う設備

 社員にご子息がいることから仕事上の親子関係についても伺いました。ご子息とは特に言い争うこともなく、「父の背中を見て黙々と仕事をしてくれている。いずれは承継も考えているためそれまでに設備投資をしなくては」と嬉々として語られました。タイヤ業界は、一般的に秋から冬にかけて冬タイヤの交換依頼が殺到します。その繁忙期を少しでも効率良く乗り越えるため、今後はスタッフが常駐できる冬タイヤ交換ピットを作ろうと計画しているのだそうです。同氏の真摯なお人柄を感じ取ることができる訪問となりました。

(事務局 眞山)

♦会社概要…所在地:柏市大島田119-3 資本金:1,000万円 従業員:9名 事業内容:自動車タイヤ販売・修理

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