【企業訪問記】”働くとは何か” “何のために働くのか” 客先・取引先への同行で働いている姿を肌で感じるインターンシップ

(株)千葉通信システム
代表取締役 渡辺 正明氏(成田支部)

 近年話題となっているインターンシップ。昨年より実習期間「5日間以上」とする日数規定がなくなり、1日からの実施が可能となりました。ハードルが下がった結果、挑戦する企業も増加し、採用活動の早期化と長期化につながるのではないかとの声も聞こえます。そのような中、「働くとは何か」を根本から問いかける(株)千葉通信システムの取り組みに注目しました。

 通信機器販売、それに伴う設置工事等を請け負う(株)千葉通信システムは創立24年目を迎え、昨年初めてインターンシップに取り組み、大学3年生2名を受け入れました。

 同社の実習カリキュラムの特徴は、「関連企業を訪問し、担当者と直接意見交換することで”働くこと”を俯瞰的に捉え、学生自身に未来像を考えてもらう」こと。情報源がメディアに限られてしまう学生に対し、大企業と中小企業の違いと特徴を踏まえた上で、自分で選んだ道を歩んでほしいという思いから、同社では取引相手となる大手通信機器メーカーから通信機材商社、更にエンドユーザーを学生と共に訪問し、各業種の役割や特徴、やりがいなどを直接聞ける場を設けています。その場では他社から見た同社の姿も聞くことができ、業界における同社の重要性なども第三者の視点から伝えられます。また座学の場も設け、情勢分析や業界の流れから働くことの意義について問いかけています。

 「離職の原因に一番多いのは、”思っていた仕事と違うから”だと言われています。この研修ではそのギャップを解消できるよう気をつけています。また働くとは生きることでありながら、働くためだけに生きる人間になってほしくないことを強く伝えています。そして昨年インターンを受けた学生1名が弊社への就職を希望し、来年4月の入社が決定しました。複数の会社を見た上で、弊社を選んでくれたのは大変ありがたいです。私も経営者として社員とその家族が豊かな生活を送れるよう全身全霊で経営に向き合い、同時に社員自身も同じ思いを持った仲間として、一人ひとりが働きがいのある会社づくりに参画してほしいと思っています。今年は3名を受入れて研修しましたが、全員が研修を通じ働くということは楽しいと思うようになったと言ってくれた事が何より嬉しい」そう語られる同氏。

 単なる労働力ではなく、経営理念の実現と、社員が豊かな生活を送るため、社会的意義を持って取り組んでいる同社に心打たれる訪問となりました。

(事務局 関根)

◆会社概要…所在地:富里市七栄149-8 資本金:1,000万円 従業員数:12名(うちパート・アルバイト2名) 事業内容:通信OA機器・ネットワーク機器・セキュリティ機器の販売・工事・保守

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