【企業訪問記】『ごはん』を通して、自然・健康・米文化の理解を広げる

(株)のざわ 専務取締役 野沢 章義氏(四街道支部) 

 千葉市稲毛区小深町のお米屋さん、(株)のざわの野沢専務を訪ねました。曾祖父の代、近隣の米農家から持ち込みされたモミ付き玄米のモミすりや、精米を引き受ける加工業を創業したのが大正末期。その後、祖父の代には、政府から配給される玄米を精米して、販売する精米所となりました。

 昭和40年代には、玄米食をお勧めするようになり、その後、両親の時代にはその考えを継続させ、胚芽米を広く勧めるようになり、その流れは単に米を販売するだけでなく、主食であるコメを通して健康を考え伝える、今の店の基本となりました。

 米の販売先を伺うと、10年ほど前までは一般消費者7割、業社3割程だったのが、今では米販売の自由化の影響で農家や道の駅での直販やネット販売が普及し、一般消費者向けが3割程度になっているそうです。

 米を取り巻く環境は厳しく「少子化で核家族が増え、高齢者も食べる量が減っていますから、小口の3kg~5kg単位の米が増えました。また、仕入れに関しては、農家自体が高齢化し後継者不足、燃料費高騰などで採算が合わないと廃業者も増えています。今年の新米は、自然災害や天候不順が続き、いつもなら稲刈りしているけれども今年はまだという地域もあります。店としては、今後、質が良く、安定した価格の米がどれだけ確保できるのか不安もあります」と語ります。

 同社はお米マイスターの資格を持つ2名の従業員を中心にお客様のニーズに丁寧に応えてくれると評判です。また、15年ほど前から玄米や米ぬかの美味しい食べ方や健康活用法の普及に力をいれており、商品販売の他、健康をテーマにした講習会「ふれあいサロン」を開催したりしています。これらは、同社の「お客様とともに自然・健康・米文化を考える」という経営理念の表れです。

 今後について伺うと「いかにお米に親しんでいただくかを考えています。まずは当社を知っていただき、お米屋さん特有の入りづらさを解消したいとチラシや照明等を工夫しました。毎年11月最終日曜日に『うまいものバザール』を開催し、餅つきや焼きそば、フリーマーケットなど地域の皆さんのご協力のもと、喜んでいただいております」と語ってくれました。

(事務局 逸見)

◆会社概要…所在地:千葉市稲毛区小深町127 資本金:1,000万円 従業員数:4名(うちパート・アルバイト3名)事業内容:米穀類小売・精米・他食品販売

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