技術を一番に会社の価値を高める ―継いだものをどう生かすか

(株)崑崙印刷 代表取締役 村山勝巳 氏(四街道支部)右

(株)崑崙印刷 取締役工場長 平川哲也 氏 左

 今回は(株)崑崙印刷創業者の村山氏と、娘婿で次期後継者の平川氏にお話を聞いてきました。

 創業41年、お客様と共に成長してきた同社。村山氏が会社を創業した当時、印刷会社のほとんどは少人数の家族経営が多く、営業はするが設備がないため、実際の印刷作業は東京の会社に注文する形態がほとんどでした。そういった環境の中で同氏は、千葉で設備を持つことの強みに気づき少しずつ設備投資を続けることで、今まで東京に流れていた仕事を同社が引き受けられるようになり、抱えきれない程の仕事を受けることができたそうです。そもそも千葉と東京では、必要とされる印刷の量や質にも違いがあり、近場で求められる技術を持つ同社にニーズはとても高かったと語ります。あえて営業をほとんどやらずに、お客様の要望に合わせて設備をより良くし、技術を磨き、印刷技術では他社に負けない会社に成長。現在は、工場長の平川氏への事業承継を進めています。

 平川氏は会社の方向性として、技術力を高めるとともに、認定や資格などの外部評価もこれから大事にするべきだと考えます。同社は営業に力を注がず、印刷工程の向上のみを目指してきたことで、他社と競合せずに生き残ってきました。そうして培った技術が認定を取ることで第三者の証明になりブランドとなります。また、目に見える認定・資格は外部評価だけでなく、従業員のモチベーションにもつながっており、自発的に技能資格を取りたいという人も増えたそうです。

電子公告・書籍など電子媒体が増えてきて紙が必要とされない時代が来ることが危惧されていますが、統計データでは意外にも紙媒体の利用は減っていないようです。確かに何かを調べようと思った時にはネットを使いますが、最初に紙媒体の情報に触れた後にネットで詳細を検索する流れがあるとのことです。しかし、当然同じことをいつまでも続けられるわけではないため、常にお客様のニーズにアンテナを張って見直しをしなくてはいけません。「村山代表はその経営センスが良かったが、自分に同じことができないため、数字をしっかり分析することで先見性を補っていきたい」と承継の意気込みを語られました。 

(事務局 道山)

 

◆会社概要…所在地:千葉市緑区大野台2-3-44 資本金:1,000万円 従業員数:26名(パート6名) 事業内容:高品位商業用印刷

 

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