モノ売りからコト売りへ!〜縮小業界で攻める差別化戦略
(有)ライダースクラブ 取締役社長 吉田 祐介氏(八千代支部)
今回は、千葉市若葉区でカワサキとドカティの二輪販売の正規取扱店を営む吉田社長を訪ねてきました。バイクの販売市場は減少を続けており、この30年間で10分の1(400万台から39万台)にまで減っており、大きな岐路に立っています。人口が減少するとともにユーザーの高齢化、若者のバイク離れや行政面のハンディキャップなど、バイク利用者は年々減少。メーカーからは販売店との契約が大幅に縮小されており、少なくなる規模でどうシェアを取れるかが課題になっています。
そうした情勢の中、同士は「モノ売りからコト売り」へのシフトで差別化を図っています。オートバイは移動手段としてではなく、娯楽として楽しむ人が多いです。そうなるとオートバイのライバルは他社メーカーではなく、ゲームやテーマパークといった娯楽になります。そこでお客様に与えられる価値を考えたとき、「豊かな時間を提供し、消費してもらう事」に行き着いたそうです。オートバイを売ることだけでなく、買った人にそのオートバイを通じた豊かな人生を提供することを目指す、そのために以前からしていた、ツーリングやBBQなどのイベントを前面に出してオートバイを楽しむ環境を提供。ツーリングには50人以上参加することもあり、お客様同士でのつながりもできているとのこと。こうした取り組みを続けることで、「カワサキやドカティのバイクが欲しい人がライダースクラブに来るのではなく、ライダースクラブでバイクを買いたいから、カワサキやドカティを買ってもらえるようになってきた」と語ります。
また、オートバイ業界はまだ未成熟な業界であり、バイク便やレンタルバイクなど他業種とのコラボで生まれる新たなサービスの可能性はたくさんあると話します。同社では教習所とコラボすることで、バイクの購入と教習所の申し込みを一度にできるという全国で初めての取り組みを始めており、他社にも広げられるようモデルケースとして運用しているそうです。
縮小する業界の中で、潜在的客層を掘り起こし、商品に付随する時間を提供する新たなビジネスモデルを邁進する同社に期待が膨らむ訪問でした。
(事務局 道山)
◆会社概要…所在地:千葉市若葉区桜木6-23-3 資本金:1000万円 従業員:4名 事業内容:オートバイの販売・修理