「人が活かされる経営」への貢献をめざす

N・T人事法務サポート 代表 高橋 良昌氏(習志野支部)

 習志野市役所のすぐそばの事務所にお伺いし、ベテラン社会保険労務士の立場から見た中小企業の課題やご自分の仕事の現状について伺いました。

 今、顧問先の実情を見ると、中小企業の最大の経営課題は「人手不足」。例えば、建設業の場合、従業員数50名位の規模でも溶接工といった腕の良い現場職人を確保するには、月収40万円を出してもなかなか難しいのが実状。特に“人材の定着”という点で見ると、「昔ながらの酒を酌み交わしてのコミュニケーションで何とかなるという時代ではなく、経営側の考え方を変えない限り問題は解決しないのでは…」と提起します。

 話し方一つをとっても、上からの命令調であり、人を褒められない、また人事評価も客観的とは言い難い、あるいは業務・仕事分析ができないといった現状があり、同友会が運動として進めている経営指針づくりが業種・業界を超えて求められていると強調します。

 現在、国が進めようとしている“働き方改革”の『同一労働・同一賃金』の原則からすると、例えばパートの方に交通費や賞与を出すのは当たり前という前提で社内改革を進めていく必要があると言います。また他方、「働く側にも意識改革が求められているのでは…」と問題を投げ掛けます。現状に甘んじるのではなく、経営側に主張すべきはすると同時に、従業員としての義務を果たし、消費低迷のもとにあって付加価値のとれる仕事をどう作るのかを共に考えていくことが大切とのこと。

 「今後年間200日就業でも収益が挙げられる体質にしていかない限り、企業として生きていくことが難しいのではないか」。特にブルーカラー系の物流の担い手やドライバーの確保では、相当思い切った手を打つとか、子育てに専念できる環境や保育環境に配慮できる企業をめざす必要があると強調します。

 これからは、企業を顧客とする社会保険労務士は、単なる手続き業務に専念するのではITの発展もあり成り立たなくなり、自分としては企業研修や経営者に対する相談業務に力を注いでいく予定とのこと。人材に対する投資を積極的に行い、自ら育つ環境をつくれる会社が伸びていくとの立場から、現在、社内コミュニケーションをいかに円滑に図るかをテーマに企業研修を企画中です。ゲーム形式で、「プラス思考のボキャブラリーを豊かにし、互いに褒め合える、良いところを伸ばし合える、そういう風土づくりに貢献したい」、また「企業としての、効率化・機械化を進めながら労働条件向上にチャレンジするための事業計画づくりにも関われる仕事をめざす」と意欲満々です。             

(専務理事 川西)

◆会社概要…所在地:習志野市津田沼5-5-21大和ビル3階 従業員:3名 事業内容:各種行政手続・給与計算代行・人事労務コンサルタント・ビジネスメンタリスト

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