【会員企業の取り組み事例withコロナ】2つの事業をつなぐ想い“どうしたら目の前の人を喜ばせることが出来るか”

さかなや道場 大網白里店 代表 久我 厚志氏(茂原支部)

久我 厚志氏

 大網白里市でおいしい本マグロと外房の地魚を食べるならここ!さかなや道場大網白里店の久我代表を訪ね、このコロナ禍での取り組みについて伺いました。

 久我氏は高校卒業から長く飲食業界で働いていて、38歳の時に勤めていた会社が運営しているフランチャイズに加盟して独立開業。現在8年目です。2020年の緊急事態宣言から営業を停止して売り上げがゼロになり、弁当事業やランチ営業、テイクアウト等にも取り組みましたが、飲食業のみで経営を続けることにリスクを感じます。コロナ禍はピンチでもありますが銀行融資を受けやすい環境になったことはチャンスでした。それを生かして、知人からの紹介もあり2021年8月に障がい者グループホームを立ち上げます。

外観

障がい者に寄り添った支援

自慢の本マグロ

 「8050問題」という社会問題があり、それ自体は80代の親が50代のひきこもりの子どもの生活の面倒を見ていて孤立しているというものですが、そうなってしまう背景の一つに障害があります。同氏もグループホームの運営を通じて、彼らを取り巻く社会問題を知り、寄り添って支援をしていく意義を感じています。またホームで提供する食事にはこだわりがあって、ご馳走でなくてもいいから愛情を感じられる手作り料理を心がけています。それは居酒屋での接客をする際に心がけている「どうしたら目の前の人が喜んでくれるか」という想いから、ホームを利用する人は何を求めているかを考え、たどり着いたこだわりです。

就労継続支援B型事業所の立ち上げ

 さらに最近、日中空いている居酒屋を利用して、障害や難病のある方のうち、年齢や体力などの理由から、企業等で雇用契約を結んで働くことが困難な方が、軽作業などの就労訓練を行うことができる就労継続支援B型事業所を立ち上げました。グループホームの利用者はもちろん、地域の人にも利用してもらって手芸品の作製や居酒屋の設備を生かして、お弁当等の作業を検討しています。これは居酒屋事業とグループホーム事業の2つをつなぐ第3の軸です。

福祉は「心がなければ成り立たない」

 しかし決してうまくいっていることばかりではなく、グループホーム利用者はお客様ではあれど、飲食のようなわかりやすいお客様ではありません。その中でのサービスの提供に難しさを感じることが多々あり、知識不足を社員に補ってもらいながら向き合う日々が続きます。株式会社として福祉に取り組む難しさと責任を感じ「心がなければ成り立たない」と話す同氏。福祉に触れて開けた視界には今まで知ることのなかった多くの困りごとが広がっています。まだまだやれることはあると、近くグループホームの2棟目を予定しています。

(事務局 田中)

♦会社概要…事業内容:居酒屋の経営、グループホームの経営 所在地:大網白里市駒込752 ブラビーカクガワ1F 資本金:500万円 従業員:11名(内パート・アルバイト10名) 入会年:2019年

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