【会員企業の取り組み事例withコロナ】生活や人生が豊かになる良質なインテリア~売り手の都合ではなくお客に寄り添った提案を
(有)三愛 代表取締役 山中 大輔氏(千葉中央支部)
今回は、JR内房線の蘇我駅を降りて徒歩5分程のところにレンガ調の店舗を構える(有)三愛の山中氏を訪ねました。
同社の始まりは、山中氏の祖父が大正時代に始めた家具製造販売店でした。そのあと山中氏の父が昭和30年頃に引継ぎ、匝瑳市を中心に婚礼家具や流し台の訪問販売を行っていました。昭和40年頃には、当時出始めたカーテンやカーペットに着目し現在の千葉市へ出店し、同時に内装工事も手掛けるようになり売り上げを伸ばしていきました。バブル崩壊後は規模を縮小し現在に至りますが、いまコロナ禍で在宅勤務や自宅滞在時間が増えたことでインテリアの需要が高まっています。
経営理念をもとに発展を
山中氏が入社以来から大事にしていることは「住まいの困りごとを気軽に相談できる窓口」であることと「美しさ、楽しさ、人間らしさを感じられる空間づくり」です。そんな想いを持って一昨年、同友会の経営指針成文化セミナーに参加し、経営理念「笑顔のある空間づくり・地域づくり・人づくりに挑戦し続けます」を明文化し、商品やサービスの差別化を強めています。
サービスの差別化
同社では徹底的にお客にヒアリングし専門家としてのアドバイスを行っています。山中氏はインテリアコーディネーターの資格を生かして、1人ひとりに合わせたカーテンのアレンジ、クッションや絨毯などのトータルでの組み合わせを。窓装飾プランナーの資格を生かしてお客の生活に合った機能性(断熱、遮光、防音)や色を考慮したカーテンやブラインドなどを提案しています。
また同社は、カーテンを入り口にして住宅の内装リフォームも手掛けています。専門外の依頼は同友会の仲間と協力して行い、住宅の総合窓口として重宝されています。
商品の差別化
山中氏が入社した当時は「良い品をお安く世界から」をスローガンに掲げていましたが、価格ではなく品質の良いモノから得られる悦びや楽しさを主にした商品に切り替えました。
その1つが、英国インテリアのウィリアムモリスがデザインしたカーテンや壁紙などの充実でした。
山中氏は「ウィリアムモリスは19世紀の英国で活躍したデザイナーであり、芸術家、詩人、社会運動家などの多方面で活躍した人物です。それらを語ることでブランドの魅力と奥行きが出せます。またモリスのデザインを用いた家具や装飾品は多く、トータルコーディネートを提案できます。モリスのオーダーカーテンは大手インテリアショップの5~10倍の価格ですが、品質の良いものを求める50代以上の方が店に多く訪れます」と話します。
2つめは、良質なウールを使った遊牧民の手織りの絨毯で、冬は暖かく夏は湿気を吸収し肌触りが良い特徴的なデザインです。またウールのタイルカーペットも扱っており、吸音性が高く足が疲れにくいといった特徴がありますが、化繊のものに比べると高価なため、国内の製造会社は1社しか残っていません。求める人がいる限り我々プロが良品を発信、販売していく必要があると山中氏は言います。
10年後のビジョン
最後に10年後のビジョンとして、山中氏は「ウィリアムモリスギャラリー&ガーデンカフェを建設して、インテリアの啓蒙、社員の教育とモチベーションアップ、文化交流や生涯学習の場として地域貢献をしていきたいです。そのために社員を増やし、私が経営者としての仕事に注力していく必要があります」と展望と課題を話されました。
(事務局 牧本)
♦会社概要…事業内容:オーダーカーテンと住宅リフォームの提案施工の専門店経営 所在地:千葉市中央区南町1-12-17 資本金:300万円 従業員数:6名(内パート・アルバイト3名)