【会員企業の取り組み事例withコロナ】料理を一番おいしく食べられる瞬間を演出するために

クリエイティブリゾー太(株) 代表取締役 亀山 守氏(茂原支部)

亀山 守氏

50円で買える冷奴を半分に切って出したら280円!?

 今回、本八幡駅前でおいしい焼き鳥が食べられる居酒屋「とり亀」と睦沢町で釣り堀「とり亀」を経営する亀山氏にお話しを伺いました。

 同氏は高校生の頃に居酒屋でアルバイトをしていました。「1つ50円で買える冷奴を半分に切って280円で売れる、飲食業はなんていい商売なんだ!」そう思って高校卒業後、飲食業界に飛び込みます。当然すぐに飲食の厳しさを知るのですが、お客様の笑顔を間近で見ることができる魅力も知り、お金を貯めて31歳の時に本八幡で居酒屋を開業。その後も核商品の焼き鳥にこだわり、本八幡で合計120席の大きな店(現在の本店)や8席のみの焼き鳥コース料理の店などを展開します。そしてその只中に、コロナ禍が訪れます。

コロナ禍、社名に込めた思いを前に進める

 お店は完全にストップし、暗中模索が続きます。何かやれることはないかと行動し、5年ほど前から目を付けていた睦沢町にある「釣り堀」を交渉の末、承継することに。父の影響で幼いころからヘラブナ釣りに親しんでいたこと、そしてその文化がどんどん縮小、衰退している現実を知っていたからこその継承でした。また社名に「リゾー太」とある通り、飲食事業を発展させてリゾート事業にしていきたいと考えています。せっかく作る料理をお客様に1番美味しく感じられるタイミングで食べてもらいたい、リゾートはその機会を作ることが出来ます。その1歩目として、コロナ禍に釣り堀・BBQ・キャンプ事業を始めました。

他所がやれないことにこそ好機はある

 ヘラブナ釣りは最盛期だった30年前を境に高齢化とともにプレー人口は減少し続けています。業界としてもビギナーを育てる風土がなく、コアなファンばかりで新規は萎縮してしまい、入ってきづらい現状があります。新規を呼び込み、釣りを教えるとなると人手が必要で、しかも季節変動が非常に大きいためスタッフ管理が難しい事業です。それゆえ毎年釣り堀は減少し続けています。しかし、コストはかかりますが釣りを教えることを通じてコミュニケーションを取ることは、将来の顧客創造につながります。また、ベテランだけでなくビギナーや子どもをメインターゲット層にして気軽に遊びに来れる釣り堀にして、そこに企業広告スポンサーを募るなどの取り組みで収益性の向上も図っています。

縮小する市場の中で存在感を出す

 確かに釣り堀は単体での収益性は決して高くありません。現在も複数の釣り堀からM&Aで承継して欲しいと声をかけられています。しかし釣り堀×キャンプ、釣り堀×飲食、釣り堀×閑散期に合わせた観光農園など工夫と組み合わせ次第で可能性は大きく伸びます。今後の展開として、「都心から1時間で来れて丸1日過ごせるリゾート」を目指して、M&Aによる規模拡大を進めていきます。縮小する市場の中でいかに存在感を出していけるか。まだ44歳、ゲームチェンジャーの挑戦は続きます。

(事務局 田中)

◆会社概要…事業内容:飲食店経営、リゾート事業、ケータリング事業、開業支援 資本金:100万円 従業員:15名(うちパート・アルバイト12名) 入会年:2021年

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