【会員企業の取り組み事例withコロナ】地域に根付き、地域と共に発展する~成田市のワクワク創造企業!

稲垣興業(株) 代表取締役社長 菊地 貴氏(成田支部)

菊地 貴氏

 テント工事、看板工事、イベントの企画から設営まで幅広く担っている稲垣興業(株)を訪問しました。

歴史あるテント事業
選挙カーの装飾
リング・マット・バナーなどをトータルプロデュース

軍需産業の一端から、時代のニーズに合わせ事業拡大

 創立は1953年。日本軍のデイパックなど、軍用装備品の縫製職人であった菊地社長のお祖父様が、疎開してきた成田の地で創業しました。当初はその技術を活かした店舗等のテント制作・設置がメインでしたが、それだけでは先細りすると感じた菊地社長が、時代のニーズに合わせて事業を拡大してきました。

 その成果が実り、同社はまさにオールマイティな対応力が強みの一つとなっています。イベントであれば、コンセプトに合わせて屋外テントやブース、ステージやバナーなどの企画提案から設置・撤去までワンストップで請け負うことが可能です。また県内で選挙が行われる際は、看板・ポスター・パンフレットの制作、選挙カーの装飾もこなします。

地元成田の人・文化・「ワクワク」に寄り添う

コロナ禍で活躍したうなり君のすべり台

 同社のもうひとつの強みが、地域と共に歩んできたことです。昔から「お祭りごとが大好き」という地域性を持ちつつも、それまでイベント会社が存在しなかった成田市。観光に力を入れる方針が強まる中で、同社がその役割を買って出たそうです。生まれも育ちも成田市である菊地社長は、若い頃から様々な団体で地元の人たちとかかわり、イベントづくりを通して「助け助けられながら、地域を盛り上げてきた」のだと話します。コロナ禍ではイベントが激減しましたが、屋外設置で感染のリスクが少ない同社のうなりくんスライダー(すべり台)が子供たちを喜ばせるなど、知恵と工夫で地元成田の「ワクワク」創造に貢献する姿勢がうかがえます。

夢をカタチに~新たな事業展開で広がる可能性

 菊地社長は大学卒業後、スポーツが好きという理由で、名古屋の大手スポーツ用品店に就職しました。30代で意図せず実家に呼び戻され、祖父亡き後の社内が親族でゴタゴタしているのを見て「しがらみのない自由な会社をつくろう」と思ったそうです。

 家業からの脱却と事業の関連多角化を進め、若い社員も増え、想いは様々な形になりました。例えばプロレスイベントの企画設営や、プロジェクションマッピングイベント(現在構想中)など、「一緒にやりませんか」と声をかけられれば経験と人脈で応えることが増えています。

 2012年には異業種の福祉事業に参入し、高齢者が運動機能の回復をはかるスポーツデイサービス施設をつくりました。これは菊地社長の「スポーツが好き」という思いと、お祖母様への思いが合わさった夢でした。お祖母様は社内のゴタゴタに心労を重ね、晩年を過ごしました。地元の高齢者が住み慣れた場所で、スポーツを通してイキイキと交流するできる場をつくるというコンセプトは、イベント事業の理念と繋がりを感じます。また、そこでプロレスイベントで関わったプロレスラーが働いてくれるなど、人と事業の相乗効果が生まれています。

 取材を通して、地域に根づき、地域と共に発展するということの魅力と可能性を学ばせていただきました。

(事務局 菊池)

♦会社概要…事業内容:看板・サインの企画から施工まで、テント工事、イベント・展示会の企画・設営・撤去、介護事業 所在地:成田市東町156-6 資本金:1、960万円 従業員数:9名 入会金:2008年

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