【会員企業の取り組み事例withコロナ】人の一生に付き合っていく頼れるクルマ屋さん

(株)千葉オート 代表取締役 林 宗近氏(市原支部)

林 宗近氏

 市原市の八幡で新車・中古車の販売や車検、修理、鈑金塗装などを一括して担う(株)千葉オートは、地元の顧客を中心に愛されている設立から44年の自動車販売店です。二代目である林社長を今回は取材しました。

                                                      外観

車に魅せられた林社長の想い

 同社は、昭和53年6月に先代のお父様が創業しました。幼い頃から身近に車がある環境で、この会社を守り続けようと整備士学校を卒業し、カーディーラーで修行した後に就職しました。同氏は車を見ることも乗ることも好きでしたが、それ以上に車から見る景色や車内での会話など、持ち主の思い出を乗せて走るところに魅力を感じていました。お客様には車を通してたくさんの思い出をつくってもらいたい、そのお手伝いができる会社でいたいという想いが会社経営の原動力だと同氏は語ります。

コロナ禍…半導体不足などにあえぐ自動車業界

                  社内の様子

 コロナウイルスが猛威をふるった2021年は、この業界への影響も大きく、主に車の納期遅れが発生しました。自動車とは、小さなネジまで数えると、約2万点の部品でできているといいます。たった一つの部品が足りないだけで車は完成しません。半導体不足などの外部環境の変化はもちろん、自動車業界のEV化が進み、大幅な人員不足が起こったことで、注文があっても実際に車を届けることが出来ないといった状況が今も続いています。

免許返納のその先をサポートするクルマ屋さん

         電動モビリティ・セニアカー

 昨今、高齢者ドライバーの交通事故が多発し、免許を返納するケースが増えています。同社では免許返納の相談を受け付けていますが、顧客の中には送り迎えのストレスから家族間の関係が悪くなってしまったというケースがあったようです。また、家庭から車が無くなったことで出不精になり、身体を悪くしてしまった方もいたのだとか。この事業を通して同氏は、免許返納は本人やその家族の人生に大きな影響を与えてしまうことを知りました。こういった免許返納からの悩みを解決するため、同社では電動モビリティやセニアカー(※)といった高齢者や足の不自由な方などが自らの意思で気軽に運転できる乗り物の普及に力を入れています。車を卒業してもその次の移動手段を提案することで、自分の力で好きな時に好きなところへ出掛けることができ、心理的なハードルは下げられると語ります。

今後のビジョン

 また、若者の車離れが深刻化しているのもこの業界が直面している大きな課題です。昔は車を持つことが一種のステータスだと言われていましたが、近年では経済的余裕の無さや趣味の多様化などが原因で、車を持たない若者が増加している傾向があります。ただ現在でも車が好きな層は一定数おり、今後は基盤顧客数を増やして、自社との強い繋がりをいかにつくっていけるかが重要だということでした。顧客の年齢層が若返るようにシフトしながら、高齢者も裏からサポートしていきたいと語られました。(株)千葉オートは、今後も【一生頼れるクルマ屋さん。】として、移動の面から地域の人々の豊かな生活を支えていきます。

(事務局 眞山)

※ハンドル形電動車いす。道路交通法では歩行者として扱われ、免許が不要。

◆会社概要…事業内容:自動車販売・修理  所在地:市原市八幡北町3-8-10 資本金:1,000万円 従業員:6名 入会年:1982年

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