【企業訪問記withコロナ】サーフィンから始まる異文化発信

(株)ミッション 取締役 南澤 一輝氏(市川浦安支部)

左:一輝氏、右:輝雄氏

 今回は佐倉市でサーフショップを構える南澤親子にお話を伺いました。元々サーフィンの選手として活躍していたお父様の輝雄氏が24歳の時に、知り合いの勧めと実家から土地を譲り受けられたこともあって、サーフボード専門店を海から離れた佐倉に構えます。

 サーフィンはレジャーになりにくいスポーツです。初心者が波に乗れるようになるには時間が掛かるうえ、気候や波の影響でできるタイミングも限られます。そのためプレイ人口が増えにくく、レジャーとしては広く浸透しにくいスポーツです。ただし、そのマーケットの小ささが大手の参入しにくい障壁になっているため、中小が多いのが特徴の業界でもあります。

 同社では専門のボード制作機械を導入しており、コンピューターでプログラミングされた精巧な切削で、一人一人に合わせたカスタムオーダーを得意とし、実際にお客様と海に行って相談に乗ることもあるそうです。しかし、サーフボードのマーケットの頭打ちも同時に感じていました。そこから、従業員の雇用維持などを目的に飲食店のFCを始めることになります。

「音波」店内

 飲食店についてはサーフボードのお客様などの繋がりなどから来店者は多く、好調が続いたことから次々に店舗をオープン。フランチャイズ店だけでなく、海をモチーフにしたオリジナルブランドの「音波」も展開してサーフボードを上回る規模になっていきました。音波ではこだわった風情のある内装と、海外から逆輸入したロール寿司など文化を感じる空間が提供されています。

 また、小売としてオーストラリアではメジャーなミートパイの通販も展開。冷凍食品で提供しているため、お歳暮などのギフトといった想定外ながらも需要は拡大しており、このコロナで飲食事業が停滞しているなかでの支えになっています。

 飲食事業を中心に次期後継者として経営に携わっている一輝氏に「サーフィンで市場を拡大するのは難しい。ただサーフィンの根幹は残しながら、異文化を伝える発信点として色んな事業を伸ばしていき、社員の雇用を守れる会社に成長していきたい」と展望を語ってもらいました。

(事務局 道山)

♦会社概要…所在地:佐倉市井野1491-2、資本金:1,000万円、従業員数:68名(うちパート・アルバイト50名) 事業内容:サーフボードの小売り、創作居酒屋、もつ業態の経営

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