【企業訪問記】障がい者の力を最大限に発揮! ~農業と就労支援でその人に合った成長を~

(特非)ジョブファーム
NPO代表 高橋 正己氏(茂原支部)

 今回は大網白里市で、農業を活用した障がい者の就労支援をしている高橋氏を訪ねてきました。同氏はもともと母親の実家の農業を手伝いながら、障がい者の就労支援施設で働いており、繁忙期に利用者に工賃を支払い、農作業を手伝ってもらうと、大変喜んでくれたそうです。しかし「施設は刑務所のようだから戻りたくない」と話すのに衝撃を受け、農業を活用した就労支援について考えるようになります。

 障がい者の特性として、決められた単純な動きは得意ですが、少し想定外のことがあるとパニックになってしまうことがあります。それに対し農業は、ある程度決まったルーティンが続き、季節の違いで少しずつ変化もあります。そのため単調作業を好む障がい者に合った仕事のうえ、少しずつ変化に対応していくための就労支援に最適だったのです。できることを少しずつ増やし、スモールステップを踏ませることで、どんどん自信をつけていきます。また、農地では自由で活発に楽しく作業ができますが、事業所が住宅地のため、戻ってくると社会的ルールを守る環境に変わります。そうした環境の変化への対応も成長につながると語ります。

 同社の取り組みとして、農業と地域と福祉が様々な形で連携する①農福②地福③福福があります。①人手不足の農業の場で、②共同墓地の管理や町の清掃など地域の課題に対し、③高齢者施設の支援などで、障がい者が役に立つことができる。そうした仕事づくりで最大限の力を発揮できる仕事づくりを進めています。

 こうした取り組みを可能にする背景には、仕事のユニット制がありました。少し複雑だったり、工程の多い作業でも、それを細かく分割し分担すれば単調作業であり、レベルに応じた組み立てもできる。さらに、複数人で一つの作業を分担しているため、ユニットの仲間の仕事を見て学ぶこともできます。こうした障がい者の力を最大限に発揮する仕事づくりが同社の強みであり、またこうした仕事の細分化は、障がい者雇用の有無に関わらず、働きやすい環境づくりには欠かせないものだと感じました。

(事務局 道山)

◆会社概要… 所在地:大網白里市みどりが丘3-6-26 従業員数:5名(うちパート・アルバイト2名) 事業内容:福祉と農業を絡めた就労支援

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