【企業訪問記】おでんき屋、はじめました

(株)桜井電気商会 代表取締役 桜井 豊元氏(松戸支部)

 夕刻、まっすぐ帰ろうか、飲んで帰ろうかと賑わいだす松戸駅西口から徒歩2分、赤ちょうちんに灯がともる不思議な街の電気屋(株)桜井電気商会を訪ねました。

 おでん居酒屋として営業している1Fは、元々家電製品が並ぶ店舗でした。その理由を尋ねると「若い人は何でもネットの時代。自分で検索してまずはネットで買い物、そこで対応しきれなかったものを大手量販店、そして3番目に声をかけられるのが街の電気屋です。しかし高齢者にとってまだまだ街の電気屋は頼れる存在で、家電は全て自社から買ってくれるというお客様もいらっしゃいます。普通電気屋に用事があるのは家電の買い替えか故障の時のみで、年にそう何回も機会はありません。その点飲食店は何度でも足を運んでもらえるため、そういえば…と世間話から仕事の話をもらえればと、思い切って居酒屋に改装しました」とのこと。これにより家電の売り上げは改装する前よりも上がっているそうです。

 同社は10年前に大手家電量販店のフランチャイズに加盟しました。そこでは量販店にある在庫を自社の在庫として販売でき、しかも一括大量仕入れなので他の量販店にも負けない価格。そのため「大手量販店の価格を、街の電気屋のスピードで提供する」というサービスを実現できます。またそのフランチャイズが主催する学習会で経済情勢を学び、それを踏まえてガス事業などの新規事業にも取り組んでいます。

 これからは中小企業でもプラットフォーム型ビジネスが求められると話す桜井氏。電気屋でありながら建設、水道、ガスの仕事も受けられるよう資格を取得し、お客様の住生活の困りごとをトータルサポートできる体制をとっています。桜井氏が外で学んできたことは必ず社員に伝え、現状のままではいけないという危機感を共有することで、社員も意欲的に新しい事業や資格取得に取り組んでくれています。

小回りが利く中小企業だからこそ、多くの情報を集めて、お客様に合わせた事業展開をしていく。これからの「おでんき屋さん」の挑戦から目が離せません。

(事務局 田中)

♦会社概要…所在地:松戸市根本464 資本金:1,000万円 従業員数:6名(うちパート・アルバイト1名) 事業内容:家電販売・電気工事・福祉用具レンタル

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