【企業訪問記】経験を生かした提案型の食堂委託
ZENSYOKU.FOOD(株)
代表取締役 永岡 省二氏(習志野支部)
2007年に設立したZENSYOKU.FOOD(株)は企業、大学、役所、福祉施設などの食堂委託を行っています。同業他社に比べると経歴は浅いほうですが、代表の永岡社長は業界での経歴は長く、1972年に同業の会社に入社し、企業合併や解散や再編の後、2004年に独立し前身の永岡商会を設立しました。
全国に10の事業所を構え、パート社員など40名程を抱えています。主な得意先には千葉市内区役所や日本大学理工学部やNTTグループ会社などがあります。
ここ最近では高齢化社会とともにデイケア施設からの依頼が増えています。常時、衛生管理には最新の注意を払っていますが、高齢者の場合は生死にもつながるため特に注意しているとのこと。また、高齢者の場合は健康状態が異なるため、要望が他に比べ多く、1つのメニューに対して食材を細かく刻む、とろみをつけるなどの個々の要望に丁寧に対応しています。
重労働の工場との取り引きもある同社ですが、ある工場の現場の社員から「味や質よりも量を多く食べたい」との声があり、それに対応したメニューを提供するようになりました。この経験を他の工場でも生かし、積極的に提案し喜ばれています。
また、その他の施設では、コースメニューを増やし喜ばれています。同業他社では効率を優先し2コースが多いのですが、同社では5コースを用意することができます。それを可能にしているのは、余った食材を他のメニューに活用できるノウハウの積み重ねです。また、食材のロスを減らすことで、原価率を下げ安価で提供しています。しかも残野菜を使ってデミグラスソース、ビーフシチューソース、カレーソース等にして「昨日よりもおいしく」を心がけ、食べる楽しみを同時に大切にしています。
衛生管理の面では、マニュアル化の徹底や国際的に認められた食品の衛生管理手法HACCP(ハサップ)を取り入れ、食の安全性も追求しています。
最後に、「一番大事なことは、遠方の事業所であっても定期的に従業員に会いに行き、直接、声を聞くこと。メールでは伝わらない現場の想いや情報は多い。メニューの工夫にしても衛生管理にしても人が基本」と、想いを強く語られました。
(事務局 牧本)
◆会社概要…所在地:習志野市実籾4-4-3-2F 資本金:300万円 従業員数:40名(うちパート・アルバイト32名) 事業内容:食の提供サービス