【企業訪問記】従業員の笑顔輝く、ハッピーの苗を育てよう。〜豊作の第一歩は働き方改革から

和田労務管理事務所 代表 和田 治文氏(四街道支部)

 終電に近い電車に乗り込んだ同氏が見たものは、泥酔し、立ちながら船をこいでいる50代の男性。ふと「10年後、自分はあんな風になりたくないな」と感じたことが起業のきっかけだったと言います。

 大手複合機製販会社で営業管理をしていた同氏は、文字通り朝から晩まで働いていました。遠距離通勤でもあり週末にしか子供と会えない日々。その生活に疑問を持っていたとき、奥様の「会社を辞めて生活が苦しくなるのを気にしているのなら私も働く。」という言葉に背中を押され、42才で起業を決意しました。退職が決まった有給消化中に行政書士の資格を取得し、退職後に社会保険労務士の資格を取得。当時を「貯蓄はありましたが、実質無職。家族を路頭に迷わせたくない。まさに背水の陣の気持ちで勉強しました。おかげ様で1年で合格することができました」と振り返ります。

 晴れて開業に至りましたが、お客様は誰一人としていないゼロからのスタート。以前の営業経験を活かし、効率が悪い直接営業はせず、税務士や銀行など事業主と接点を持っている方にピンポイントに働きかけ、徐々に顧客を増やしていきました。結果、奥様と二人三脚でやってきた事務所も今では従業員が6名、その中に有資格者も2名います。定着率もよく、新卒で入社した2人の社員は13年以上務められており、制度も充実していることから、産休や育休に入っても戻ってこられる方がほとんどだと言います。

 そうした経験の中、現在の働き方改革について同氏はこう語ります。「中小企業にとって働き方改革は一見不利益を被るように感じられるかもしれません。ですが、取り組んでいくと社員の働く意欲が向上したり、今までうやむやになっていた時間管理ができるようになり、業務の効率と質が向上し、会社の利益と成長につながっていきます。幸い、当社のお客様は前向きの方が多いですが、社長や従業員のためを思ってあえて厳しい進言をすることもあります。結果的にお客様の経営環境が良くなり、労使共にハッピーになってもらうことが私共のモチベーションの源ですので、今後も続けていきたいと思っています。」

 趣味で農園を拓いている同氏。300坪に渡る畑に四季折々の野菜が実ります。今後は自身の働き方改革を見直したいと話される同氏の顔には屈託のない笑顔が咲いていました。

(事務局 関根)

◆会社概要…所在地:千葉市稲毛区穴川2-13-17 従業員数:6名(うちパート・アルバイト3名) 事業内容:労務相談・就業規則作成・給与計算・労働社会保険事務手続

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