【企業訪問記】地域と人に寄り添う調剤薬局に

(株)熊薬堂 代表取締役 熊川 拓也氏(船橋支部)

 船橋の住宅街の角地にあり、清潔感のある白い壁が目を引く調剤薬局、(株)熊薬堂を訪ねました。熊川氏は2010年に薬剤師になり、調剤薬局や総合病院での勤務を経て2019年の4月に(株)熊薬堂を開局したばかり。船橋市は調剤薬局の店舗数は多いですが、薬局が患者宅を訪問する「在宅医療」を行っているところは少なく、引き合いは多いそうです。薬局が行う在宅医療の役割は、患者やその家族、または施設の職員ではやりきれない薬の管理を専門家の目で行うこと。飲み忘れや飲みたくないとった理由でどんどん溜まる処方薬の管理まで医師は出来ないので、これが必要になります。また薬を多量に溜めてしまっている患者に対しては医師と相談し処方から削除、または減薬するといったことをしています。

 この取り組みは患者個人の経済的負担を軽減するだけでなく国の医療費問題にも大きく関わってきます。2025年問題と呼ばれる団塊世代が後期高齢者になる頃には、医療費は跳ね上がると予想されています。アメリカが舞台の、どんな医療を受けるにもまずは金を持っているか、そうでないなら救急車にすら乗せないというショッキングなドキュメンタリー映画「シッコ」(マイケルムーア監督・2007年)の世界が現実に訪れないよう、日本の医療を薬局の立場から支えることが出来るのです。千葉県は人口当たりの在宅医療まで行う薬局件数は全国ワースト上位であり、将来的には船橋以外からの求める声に応じて多店舗展開を目指していきます。

イベントスペースにもなる待合室

 上記の取組みに加えて、地域に根差した薬局を目指して、待合室を使って地域の方の交流になればと落語イベントを開催したり、家族や社内で病気の感染が拡大しないよう感染予防の講座などの活動を展開しています。また処方箋を写真で撮ってLINEで送れば、事前に用意しておいて待ち時間ゼロで受け取れるサービスも行い、地域やお客様にとって使い勝手の良い薬局を目指して取り組みを進めています。

(事務局 田中)

◆会社概要…所在地:船橋市夏見2-17-17 平和コーポ1-2 資本金:400万円 従業員数:4名 事業内容:在宅医療に力を入れている調剤薬局

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