【企業訪問記】会社は社員みんなが帰ってくる家
(株)和モリ建設 代表取締役 泉田 紘伸氏(佐倉支部)
収穫を終え、ぼっち積みされた落花生がそこかしこに見受けられる10月上旬の八街、コンクリート工事をはじめ土木工事業をされる(株)和モリ建設を尋ねました。
元々はトヨタの整備士だった泉田氏は、25歳の時、奥様の親の会社を手伝うという形で建設業界に入ります。やがて経営を引き継ぎ、30名の職人を抱えて会社経営をしますが、経理からシフト管理まで全て泉田氏が行っていたため毎日睡眠時間はわずかな状態が続きました。何を決めるにも社長が判断していたので、社員からの連絡がひっきりなし。そんな状態に嫌気がさし、1日携帯電話の電源を切って休みを取ったそうです。翌日出社してみると社員達は自主的に連携を取り、業務を進めていたとのこと。それからは社員を信頼し、現場で判断して動いてもらうようにしました。
社員も直接ゼネコンとやり取りすることで頼られるようになり、それがやりがいになっているとも。それまで会社は社長のものという考えで、それゆえの管理体制でした。今ではどうかと伺うと、会社は社員皆が帰ってくる家だと思うようになったそうです。家は皆のものだから皆で物事を決められるようにと労働組合も組織し、社内改善に取り組んでもらっているそうです。
他社との差別化、独自の取組みについては、コンクリートは日進月歩の技術であり、ゼネコンに協力してもらいながら製品や技術の実験を行っているとのこと。自社の技術、知識の向上はもちろん、ゼネコンに対しても他社とは違うということをアピールできる取組みになっているそうです。「今後、ゼネコン業界が週休2日になることにしたがって稼働日数は減っていきます。付加価値の高い仕事を行うことはもちろん、価格交渉し自社の利益を守るためにも、仕事のクオリティを上げ、なくてはならない会社であり続けなければいけません」と泉田氏は話します。経営者の意識の変革で会社は変わっていく、ということを確信できる取材となりました。
(事務局 田中)
◆会社概要…所在地:八街市八街は39-30 資本金:500万円従業員数:15名 事業内容:コンクリート工事、土木工事、解体工事、鳶工事など