100年企業を目指してー継続のために、成長と発展を
古川運送(株) 代表取締役社長 古川毅彦 氏(つくも支部)
今回はつくも支部長の古川毅彦氏の会社、古川運送株式会社にうかがいました。
同社は創業51年を迎える運送会社です。首都圏と銚子や木更津などの千葉の沿岸部を結ぶ食品の輸送を主力として、近年増えている小口の依頼にも対応しています。
古川氏は大手物流会社に勤務後、2005年に入社。2014年に代表取締役社長に就任しました。創業50年を目前とした事業承継に、「自分の使命は100年企業にすることだ」と感じ、その想いを持ち続けているといいます。
業界全体がドライバーの人材確保に苦戦する中、同社では未経験者や女性も歓迎しています。あいさつや荷物の積み方から懇切丁寧に指導することが、人を育てるための「回り道なようで近道」であるという考えです。労働環境の整備にも余念がなく、昨年新設したばかりの東金物流センターは、明るく近代的な作りです。男女それぞれの休憩室や更衣室があり、シャワールームまで完備。「ドライバーは制服で出勤、制服で帰宅」という常識を変えて、仕事が済んでからも気持ちよくプライベートを楽しめるようにという配慮がこめられています。
また、2004年から高卒者の採用を継続してきたことに、同社の苦労と英断がうかがえます。2007年の道路交通法改正以降、「中型免許」が創設され、普通免許では4tトラックを運転できなくなりました。中型は普通免許の取得から2年以上経たないと取得できないため、高卒生を採用しても2年間はドライバーとして戦力にはなりません。この現状を前に、新卒採用をためらう企業もありましたが、同社では先行投資と考えて採用を継続しました。2年間は教育期間とし、2年後に会社の費用負担で中型免許を取得させています。会社にとっては経費もかかる選択ですが、その積み重ねの成果が現在の若手社員の層となり、活気ある社内が作られています。
継続させることを使命としながらも「現状維持は衰退の始まり」と語る古川氏。業界の常識にとらわれない挑戦を続けています。
(事務局 小山)
◆会社概要…所在地:東金市薄島338-1 資本金:3,000万円 従業員数:155名 事業内容:食品・ガラス・鋼材等の配送、小口輸配送、物流コンサルティング