社員一人ひとりの将来を考える企業づくり〜社会保障制度と社員研修制度〜

(株)トータルプロテクト　代表取締役　前川至氏(美浜支部)

　今回は防水工事から塗装工事、シーリング工事といった防水全般を専門としている(株)トータルプロテクトの前川氏を訪ねました。

　同氏は20才から約11年間、防水職人として従事されていました。ですが当時は社会保険に対する意識も現在より低く、また日給制を採用する会社も多いため、職人にとっては後ろ盾がない、安定のない環境でもあったと言えます。そういった業界の慣習に対し、疑問を持っていたと話します。

　そして設立した(株)トータルプロテクト。2～30代の若手を中心に組織されています。自身が職人時代に感じていたことを教訓化し、同社では社会保障制度の完備や雨天時の研修制度を導入しています。後者は天候の関係で現場工事が中止になるときを利用し、会社敷地内に設けている研修場で実技の演習や座学の講習を行います。研修に参加することで出勤扱いとなり、安定した収入と技術、知識の向上が期待されます。

　「社会保障制度の重要性が社員の身に染みるのは、彼らが結婚してからです。自社では恩恵を感じているベテラン社員から若手社員に自然にその重要性が伝えられており、一人ひとりの将来を考えるからこその加入だと真摯に話すと彼らもわかってくれます。また研修制度は取引メーカーからも支持され、余った材料を回してもらったりと、我が社への大きな期待を感じます。」と語りました。