「時代の流れ」ではなく「地域の流れ」に合わせた経営を〜不動産業の強みを生かして〜

(有)坂巻不動産　代表取締役　坂巻 栄一氏(北総支部)

　北総支部で幹事長を務める坂巻氏が代表を務める坂巻不動産は、曽祖父が始めた肥料販売店から始まり1989年に父親が不動産業を始め今に至ります。曾祖父の時代から数えると80年以上続く地元印西に根差した会社です。

　2002年に父親が他界し、坂巻氏が代表を引き継いだ後、大手コンビニエンスフランチャイズの経営やコインランドリーの管理も始めました。

　「始めた当時はなかなか認知されずに苦労した。地元の北総線の乗車回数券を販売するなど、地元の方に何とか足を運んでもらう努力をした。若さとフレッシュ感だけでやっていた気がする」と当時を振り返ります。

　立地の良し悪しで、売り上げの8割が左右されるコンビニエンス経営において、そういった努力の積み重ねで2店舗目を出店。ようやく安定してきた頃に、不動産業の方にも力を入れ始め、積極的に営業を行い社内のシステム化を押し進めました。

　「これまでは不動産の仲介がメインだったが、これからは行政も巻き込んで、地域に何が必要かを考え、提案するコーディネータ的な不動産業をしていく必要がある。同様に飽和状態にあるコンビニエンスも地域ごとに異なるお客のニーズをくみ取り、地域にあわせた品揃えやサービスを展開していく必要があり、それこそが地元中小企業の役割」と話します。

　父親から「時代の流れに乗り経営をしていくことが大事」と教えられ、コンビニエンスなどを始めてきましたが、様々な事業を行う『よろずや』のような会社でよいのかと悩んだこともありました。しかし同友会の例会などに参加する中で、「時代の流れ」に乗ったのではなく、「地域の流れ」に合わせてきた結果、今があるのではないかと考えるようになりました。

　今回の訪問をとおして、地域の情報を必要とする不動産業だからこそ、今とこれからの地域の方が必要とするものをつかみ、それを形にしていく強みがあるのではないかと思いました。

 

(事務局　牧本)

◆会社概要…所在地:印西市木下1695　資本金:300万円従業員数:6名(うちパート・アルバイト3名)　事業内容:不動産売買・仲介・賃貸管理