【会員企業の取り組み事例withコロナ】木更津地域で愛される『みんなのお店』であり続けたい
(株)DINING WORKS 代表取締役 原田 和也氏(かずさ支部)
2015年に開業した「29BAL」を経営する原田氏を訪問しました。まず、店名の由来を伺うと、「『肉バル』という業態を店名にしています。そのままだと何も考えずに読めますが、英数字を使うことで、頭の中で変換や思考が必要です。少しでもお客様の記憶に残っていただけることを意識しました」とのこと。同店は「大人がはしゃいでなにが悪い!?」をコンセプトに、20代から40代の大人の女性をターゲットにした豪快な肉料理とワインを楽しく囲める温かな雰囲気とサービスを提供し評判を得てきました。コロナ禍で客層に変化が生まれ、現在はファミリー層、特に若いパパ・ママファミリーの来店が多いそうです。
スタッフ同士の関係性がお客様へのサービスに表れる
同店の最大の魅力である温かなサービス、店内雰囲気を生む原動力はスタッフにあります。原田氏は、「お客様への接客や温かみのあるサービスを生むためには、社内スタッフ同士の距離感も大切だと考えています。当社ではスタッフの子どもの進路などプライベートなことまで相談し合える関係があるなど、互いを気づかったり、支え合う関係性を大切にしてきました。そうした温かな関係性がお客様へのパフォーマンスにも表れてきます」と語ります。
アルバイトに励まされて
コロナ禍で大きな痛みを負った飲食業界。同店も緊急事態宣言による休業などがあり大幅な売上減少を経験しました。しかし、それ以上に大きな痛手であり、転機ともなったのが、全ての正社員の退職です。「仲間と思い共にやってきた社員に辞められて、一時は人間不信にも陥りました。しかし、よくよく考えると自分が社員を信用しきれていないから信用されていなかったのだと気づきました」と当時を振り返ります。
その時に支えとなってくれたのが、アルバイトスタッフでした。原田氏の「スタッフに依存することはやめようかな」という一言に対して、「社長はやめられないと思います。今のままでいてください」と励ましてくれたそうです。「人離れが相次ぎましたが、何もしないともっと辞めていってしまいます。常にスタッフを気にかけ、一緒に食事をしたり、対話するようにしています」と話します。
29BALはみんなのお店
高校卒業後に茨城から親戚を頼りに木更津へ来て24年が経過しました。「都内や木更津での長い下積みを経て、35歳で29BALを開業しました。当時、お祝いの花を置ききれないほどいただきました。地元民ではありませんが、多くの地域の方たちに支えられてここまで来たんだと思いを新たにしました」と話し、「地元木更津のために何かできないかと考えるようになり、木更津の魅力でもある海や海産物などにもっとフィーチャーできないかと思っています。また、地域のハブ拠点として、気軽に立ち寄ってもらえる店でもありたいと思っています。何よりもお客様やスタッフはもちろん、木更津地域の『みんなのお店』であり続けたいですね」とこれからを語っていただきました。
(事務局 逸見)
♦会社概要…事業内容:飲食業〈29BAL(木更津ニクバル)〉 所在地:木更津市文京3-1-27 資本金:200万円 従業員数:15名 運営ページ:https://29bal.gorp.jp/