【会員企業の取り組み事例withコロナ】困りごとを解決することが開発!~目の前のことに一生懸命に

(株)ソフケン 代表取締役 駒村 武夫氏(白井支部)

駒村 武夫氏
                                                      会社外観

良い仕事をするために中小企業へ

 高校卒業後大手電気メーカーの工業デザイン部署に勤めていた駒村氏。通信機器等のデザイン部署に勤務していましたが、入社当初は仕事は与えられず、3年後の戦力としての見習実習生でした。そうしたなか新しい電話機のデザインの社内コンペに参加する機会を与えられ寝る間も惜しんでデザイン案を描き上げます。電電公社に提出するスケッチ7点の内すでに諸先輩の描いたデザイン6点に加えて7点にするための数合わせとして回ってきた仕事でしたが駒村氏の案が採用され、今の日本第一号といわれる押しボタン式電話機が誕生するのでした。当時19歳でした。

 そうした経験から新人でありながも中心事業を任せられることも増え、常に「より良いモノを」と日々全力で仕事に向き合っていました。しかし大企業では、上司の意向は大きく、職場の異動で上司が変わり命運が変わってしまいます。結果が良くても上司から反感を持たれてしまうこともあり、上司から「良い仕事をしたいなら中小企業に行くと良い。君は中小企業向き」と言われたことをきっかけに退社して中小企業に勤めることになりました。幸いにも新しく務めることになった会社では社長と一緒に仕事ができる環境で、無茶ぶりが多くも、とてもやりがいを持って10年間全力で仕事ができたと話します。その後承継者とそりが合わず退社してしまいますが、知財・特許関係の開発の仕事にも関わりながら製図版と紙と鉛筆だけで独立して(株)ソフケンを設立します。

ユビラーク

アイデアを具現化した自社ヒット商品

 特許事務所と組みながら、持ち込まれるアイデアを具現化して特許化できるよう支援をしており、その経験がまた次の商品開発に繋がっていきました。転機があったのが同社でオリジナル開発した「ユビラーク」です。身内の高齢者の肩揉みをしていた時に浮かんだアイデアで、指につけるだけで指圧を高めるものです。商品力に自信があり、しっかり特許を取得したうえで製造も販売も外部に委託することで大きくヒットさせることができました。そこで得た利益で工場とオフィスを借りて更なる事業拡大につながります。

ラクパネ

 現在会社の大きな売上を担っているのは「ラクパネ」というポスターフレームです。通常の裏側のパネルを外すのではなく、フレームの一辺を開口して中身を入れ替えられるもので、単純ながら構造設計が難しい開発だったと話します。この主力事業を基盤にしながら各種フレームやパネルの製造、新規技術の開発を行っており、がん研究センターの医療機関の開発にも関わるようになりました。

開発とは日常で困っていることを解決すること

 「開発とは日常で困っていることを解決すること」と話す駒村氏。単純なことであってもそれが課題になって解決すれば仕事になります。しかし課題が見つかったからといってすぐに解決できるわけではなく、それに足る積み重ねがなくてはいけません。「階段を上るように繰り返すことでより高い所に登れるようになる。続けていくことで可能性は無限大なんです」と話します。駒村氏の目の前の課題に最大限に向き合い続ける姿勢から今の会社の成長を感じるお話でした。

(事務局 道山)

♦会社概要…事業内容:アイデアを形に、工業デザイン、設計、製造、開発支援 所在地:白井市河原子240-34 資本金:2,400万円 従業員数:30名(うちパートアルバイト10名) 入会年:2000年 HP:https://www.sofken.co.jp

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