【会員企業の取り組み事例withコロナ】労働環境改善で見えた活路~従業員の笑顔が会社を潤す

(株)ヌーベルモンターニュ 代表取締役 成田 智氏(千葉東支部)

成田 智氏

 厳しい生存競争が続いていたところにコロナ禍の影響も重なり、激動の時代を迎えている美容業界。その中の一つ、アイラッシュ業界も試行錯誤を重ねています。

 アイラッシュとはまつ毛の施術全般を指し、10代~50代の女性を中心に注目を集めています。今回は2020年12月にアイラッシュ&アイブロウサロンをオープンした成田氏に話をお聞きしました。そして同氏の第一声「はっきり言って自分は美容のことは全然わかりません」という言葉は私たちの度肝を抜きました。

【美容業界の実情】

 同氏は25年以上保険業界に従事し、15年前に保険代理会社として独立。そして独自のサービス体制を構築する一環で、10年前に生活関連支援会社を仲間と共に立ち上げました。3社目になるアイラッシュサロンの経営は畑違いのように感じますが、そこには業界で働く人々への思いがありました。「縁でサロンを経営することになりましたが、その際に業界の過酷な労働環境を目の当たりにしました。企業側は利益確保のため、低賃金・長時間労働が慣習化している部分があり、スタッフは技術の習得のため許容せざるを得ない状況にあります。多業界に接しているからこそ、違和感を覚えました」。

【主体性が笑顔を生み出す】

 同社の良さは施術の技術力はもちろん、従業員同士の雰囲気の良さにあり、その根底にあるのは主体的に動く風土です。美容知識や技術に関して従業員に劣ると自称する同氏は労働環境の整備に努め、業務に関しては一歩下がり、相談役に徹しています。すると、従業員が自立的に考え、笑顔あふれる店内に変化していったと言います。そしてその優しい雰囲気に、お客様がまるで自身の家にいるような居心地の良さを感じ、若い世代を中心に口コミやSNSで評判が広がっていきました。また求人も従業員が知人や関係者に同社を紹介することも増え、人材不足も解消されているとのこと。そうして生まれた利益をまた社員に還元することで好循環を促しています。「サロンの経営は、従業員も生活が豊かになれば、その分会社に貢献してくれること、また円滑なコミュニケーションが会社全体の効率を上げることを再確認させてくれました。サロンで得たことを別の会社でも導入することができるので、とても助かっています」。

【人生を楽しむために生きている】

 同氏の考えはどうやって培われたのか聞くと自身の経験が影響していました。「私は昭和の営業畑を経験してきました。多忙でしたが得るものも多く、大切な財産です。ですが、同時に時代の変化と時間の大切さも感じていました。人は人生を楽しむために生きていて、従業員には楽しく働いてほしいと思い、経営目標に数字目標は掲げていません。数字を目的にするとひずみが出てしまうためです。無理をしないと利益が出ないのは利益構造を見直す必要があります」。

 美と健康は不離一体です。健全な心身だからこそ、美しさを際立たせます。同氏は従業員のキャリア支援のため、マネジメントやマーケティング教育も行っています。そこには従業員に美容業に限らず、様々な選択をできるようにという思いがあり、それが従業員にとっての自信につながります。今後は業界トップクラスの福利厚生の実現や男性用サロンの運営にも力を入れていきたいと話す同氏。その温かな人間性に経営者の本質を感じました。

(事務局 関根)

♦会社概要…事業内容:アイラッシュ&アイブロウサロン 所在地:千葉市中央区富士見2-10-6ピーアイ千葉富士見ビル4F 資本金:550万円 従業員数:5名

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