【企業訪問記withコロナ】時代の流れに柔軟に、そして事業に対して誠実に~次代の世代につなぐ、誇りを持って働ける場づくり~

(株)ナカオサ 取締役社長 仲長 孝氏(野田支部)

 同社の前身である(有)仲長紙店は1950年、先代である仲長孝一氏が創業しました。創業当時は業者向けの紙袋の卸売販売でしたが、景況や消費者のニーズを反映していくうちにチラシや紙箱等の印刷製造まで業域を広げていきました。現在も小売店舗で個人消費者のニーズをつかみ、法人企業用の商品製造に生かしています。

 2代目である孝氏が代表となったのは1990年。引き継ぐことを想定して入社したものの、実際に社長として社員に向き合うと沢山の壁にぶつかりました。その一つはモラルの問題。今では一般化している整理整頓も当時は曖昧になっていました。紙を扱う同社では、一歩間違えれば火災や事故につながりかねないことから同氏は改善に努めます。初めは受け入れられませんでしたが、社長自ら3S等を率先して行い、背中を見せて訴えることで徐々に理解が得られていきました。公衆道徳やマナーが守られる職場であればこそ、社員の働きやすい職場環境や安全、品質向上につながると同氏は話します。

本社・店舗外観

 そして年々厳しくなっている「品質管理」。同社は主に化粧品や食品の紙製パッケージを扱っていることから、高い品質水準や環境配慮の姿勢が求められています。同社では2002年から「ISO9001」や「FSC(持続可能な森林活用・保全を目的として誕生した、‟適切な森林管理“を認証する国際的な制度)」の認証、更には「事業継続力強化計画」BCPの認定を取得し、社会的信用の向上に努めています。同氏は「この業界は担当官庁が無いので、独自の認証制度はありません。ですが、こういった認証を受けることで諸基準に対して共通言語ができ、問題解決に生かすことができます。」と話します。

工場外観

  現在、経営指針成文化セミナーを受講している同氏。状況を聞いてみると、「5~6年後に息子に事業継承する予定ですが、セミナーに参加して経営者の覚悟が再熱していまいました。私が目指す会社は、社員の応援団のような、社員が会社を通して夢を語り、生活していける場であって欲しいと思います。今後は次の世代が中心としてまわっていくでしょう。環境や時代も変わる中で、私は目指す会社の姿を明確化し、社内整備で土台をつくり、次の世代につないでいくこと、それが役目だと思っています」。そう朗らかに笑う同氏から、未来への希望が強く感じられました。

(事務局 関根)

♦会社概要…所在地:野田市中野台鹿島町37 資本金:2,000万円 従業員数:65名(内パート・アルバイト13名) 事業内容:紙製化粧箱のデザイン印刷仕上げ迄の一貫生産と包装用品の卸小売

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