【企業訪問記withコロナ】我々はクレーンの医者~高い信頼性が可能にする提案営業~

(株)エヌティサービス 代表取締役 中野 正氏(市川浦安支部)

 今回は、浦安支部設立にむけて設立準備委員長としても活躍されている中野社長を訪ねました。

 1996年に創業したエヌティサービスは、産業用クレーンと立体駐車場(立駐)の保守、整備をメインに行ってきました。中野社長は1973年に名古屋にある同業の会社に入社し、1977年には東京事業所に転勤となりました。クレーンと立駐の構造はどちらも下からの巻き上げ、横移動、走行の3点が同じことから当時、需要が高まっていた立駐事業に参入し力を注いでいました。

 しかし1996年に倒産したのを契機に一部の顧客を引き継ぐ形で中野社長は独立しました。バブル景気頃の地価上昇を受けて、需要が増してきた立駐でしたが、現在は空き地を利用した平面駐車場の増加などで、減少傾向にあります。また、立駐は24時間の出動態勢が必要なことから今年3月に立駐事業を手放しました。社会的使命感と得意先からの信頼が厚かったこともあり、苦渋の決断となりました。

 現在のメイン事業である産業用クレーンは、同社では主に工場内設置の天井クレーン、屋外設置の橋形クレーンに携わっています。また、それらの部品販売、定期点検、修理、改造工事といったメンテナンス業務をワンストップで行うことで強みとなっています。

会社倉庫

 クレーンは重量物を吊り上げ移動させるため、安全重視が徹底されており、2年に1回の労働基準監督署による定期検査がある程です。その点検に備え、月次・年次点検を同社では行っています。人の命に関わる大事なメンテナンス事業であることから、特に安全に関わる玉掛け、電気主任技術者、高所作業車運転技能などの資格取得を徹底しています。

 しかし安全の基本には、人が見ていないところでも真摯に取り組む姿勢、また現場での接し方や対応力といった「人間性」を基本にした「信頼」が必要で、それを社員と日々共有しいます。

「医者もそうですが患者との信頼関係があるから適切な医療を提供できるように、我々はクレーンの医者としてお客に安全予防策、部品交換、改造工事などの提案を聞き入れてもらうには、信頼してもらうことが必要です」と中野社長は話します。

 中野社長のこれまでの実績への信頼と現場の社員の信頼の蓄積が、クレーン作業の安全をつくり、それが製造や物流業を支えていることを実感する取材となりました。

(事務局 牧本)

♦会社概要…所在地:浦安市北栄4-7-10 ヴァンクール浦安五番館601 資本金:300万円 従業員数:16名(内パート・アルバイト4名) 事業内容:起重機・立体駐車場の保守点検・整備・鉄道関係のメンテナンス

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