【企業訪問記withコロナ】コロナ後を見据えて、多様な人材の採用と育成に力を入れる
浦田空調工業(株) 代表取締役 浦田直門氏(千葉西支部)
千葉市内で空調用ダクトの製造、取付工事を行っている浦田氏を訪ねました。戦後まもなく浦田氏の祖父がダクト工事業に従事、1958年に先代(浦田氏の父)が独立して同社を創業しました。
経済成長に合わせて建造物も増加、それに伴い業界も同社も成長してきました。「私が入社した1992年頃から小さいながらも高性能なエアコンが普及、各部屋に設置されるようになりました。ダクトが必要な建物は比較的大規模なものに限られてきますから、全体として市場は縮小していきました。それでも、取引業者からは当社のこれまでの実績や技術を評価いただき任せていただいていると思います」と振り返ります。
コロナの影響を伺うと、昨年4月から目に見えて仕事が減少したと話し、小規模店舗などは計画の白紙や撤退などがありました。毎年冬に手掛けている大型ショッピングモールの店舗入れ替えに伴う工事も中止、今年の冬も無いだろうとすでに言われているとのことでした。また、東京を中心に大規模な建物ではオリンピックに影響しないようにと工事中断や自粛もあったそうです。
この間、国や行政の支援金なども活用し乗り切ってきたそうですが、同業者との連携・ネットワーク構築にも力を入れてきたそうで「同業者と声を掛け合い、互いに仕事を融通し合うなど、できる協力を行ってきたのも大きいです。コロナ後も生かせる新たな協力関係が生まれています」と話します。
同社は3年前から同友会の共同求人を活用し新卒採用に取り組んでいます。従業員は20代から70代まで各年代がバランスよく居り、新卒者が入ることで社内が明るく活気ある雰囲気となり、ベテランも仕事に若手育成にと奮起する好循環につながっているそうです。「業界は元々人手不足の上に技術者の育成には時間がかかります。コロナ収束後には多くの工事が再開されていきますから、そうした状況に応えられる多様な人材の採用・育成に今後も力を入れていきたいと考えています」と語っていただきました。
(事務局 逸見)
♦会社概要…所在地:千葉市中央区花輪町190 資本金:1,000万円 従業員数:11名 事業内容:空調・換気設備用ダクトの製造及び取付工事一式