【企業訪問記】経営者は社員が安心して働けるように〜従業員はお客様に「ありがとう」を届けられるように〜

(有)印旛防疫社 専務取締役 固本 俊一氏(佐倉支部)

 今回は、佐倉市でし尿の汲み取りや産業廃棄物の回収を営んでいる固本氏を訪問してきました。昭和42年に祖父が創業し、その後父親が承継。現在は固本氏が役員として経営を主導し、行政から民間事業と幅広く地域密着にした50年以上の会社になります。し尿の汲み取り事業は、営業許可と処理場の搬入時間の関係上、決められた時間や場所の作業になるため、残業もほとんどない働きやすい職場です。そのため求人にはよく人が集まりますが、採用には苦労していると語ります。というのも、トイレや下水道といった匂いの激しい場所での作業になるため、生理的に駄目な方も多く、早ければ初日の午前中で辞めてしまった方も居たそうです。そうした苦しい環境がありますが、採用に至る社員の定着率は高いとのこと。そこには、固本氏がミスマッチングの無いように、待遇や働き方の細かい部分まで説明する真摯な姿勢があり、納得した人だけが入社する信頼性がありました。

 また、そうした真摯な姿勢は事業にも表れており、「自分たちの事業は清掃業ではなくサービス業です」と話します。ただ行政から委託された業務をこなし利益を追求するのではなく、その地域に住む人の生活がよくなることを考えないと、仕事として意味がない。そうした想いで経営をしていると、自分の仕事にならないのに、行政や事業者に業界の指導をするなど、地域で頼りにされる存在になっていました。ただし、社員には複雑なことは言わず、ただ「ありがとうと言われる仕事をしましょう」とだけ言うそうです。現場がそれさえ達成できればお客様から信頼され、また仕事がもらえる。複雑なしがらみや、会社の在り方を考えるのは経営者であり、従業員が安心して誇りを持って働けるようにするのが経営者の仕事だと語ります。地域のインフラを支え、地域に頼られる同社に、今後も注目していきたいと思う訪問でした。

(事務局 道山)

◆会社概要…所在地:佐倉市高岡303-2 資本金:300万円 従業員数:22名(うちパート・アルバイト3名) 事業内容:浄化槽保守点検、産業廃棄物収集運搬

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