【企業訪問記】地域、社会とつながる会社~社会問題の解決が仕事になる時代~
誠建クリエート(株)
代表取締役 宮本 義勝氏(船橋支部)
宮本社長は12年前に兄と誠真工業を立ちあげ、3年前から分社し誠建クリエートを発足しました。一般顧客や法人を対象に外壁修繕の営業と現場管理を専門にしています。入社前はIT通信関連の会社で営業をされてきた宮本社長は、業界の枠に収まらず自由な発想をもって社内外で様々なことに取り組まれています。
同社ではCSR(社会貢献)活動として地域の清掃や防犯活動、児童養護施設への寄付などを行っています。「営業の会社は押しが強くゴリゴリなイメージがあると思うので活動をとおして払拭したい」と話します。
さらには地域住民のコミュニケーションの促進を目的に「NPO法人いいちばみらい」を一昨年立ち上げました。NPO法人という組織は理事それぞれに発言権があるので水平な組織体制です。同社社員にも理事になってもらい、自ら提案して行動する楽しさと力を身に付け、それを会社でも生かして生き生きと働いてほしいという想いも立ち上げの背景にあります。
具体的には社屋前に駄菓子屋を開き、地域の子供たちのコミュニケーションの場になっています。また、社屋の一部をレンタルスペースにして地域のママさん等のイベント会場として使われ、多いときには300名集まることも。また、地域のママさん方からの話を受け、アクティブラーニング(主体的解決能力を養う学習)を取り入れた学童保育を同社にて構想中で、情報の交流の場にもなっています。「営業職はお金が第一優先になってしまうことが多い。“face to face”を大事にして、人の次にものがあることを忘れないようにしてほしい」と宮本社長は話します。
そして次に取り掛かろうとしている活動が、少年院を出所後の若者の物心両面を支援し、人手不足業種の企業と結ぶ活動です。
犯罪歴のある若者は親から見放されている場合が多く、それゆえ社会から離れ職に就かないことが多いと宮本社長は感じています。そういった彼らに住居の提供や親代わりのふれあいや教育を通して社会への復帰を支援します。そして人手不足に悩む会社へ就職を斡旋し助成金の手続きも代行します。また、就職後の彼らの精神的フォローも行う予定です。
今回の取材をとおして、同友会理念の「国民や地域と共に歩む中小企業」の実践を見ました。
(事務局 牧本)
◆会社概要…所在地:船橋市馬込西2-18-14 資本金:1,000万円 従業員数:22名(うちパート・アルバイト7名) 事業内容:戸建・集合住宅を主とした塗装、防水、屋根工事