【プレジデントに同友会が掲載】第4 回 なぜ「経営指針づくり」が経営者を育てるのか 2018.06.11 号 (7 月2 日発行号 )

このたび、ビジネス誌「プレジデント」(32 万部発行、月 2 回刊)に、2018 年 4 月 23 日発行号から 1 年間にわたり同友会の活動とそこで企業変革を行った会員企業が、「『実践!会社を良くする社長学』- 4 万 7000 社が集結『中小企業家同友会』パワーの源泉」として紹介されることとなりました。執筆は清丸惠三郎・プレジデント元編集長。(本サマリーは「プレジデント」編集部了解の下、作成されています)

第4 回 なぜ「経営指針づくり」が経営者を育てるのか 2018.06.11 号 (7 月2 日発行号)

「中小企業家同友会の最大の特徴は経営指針を確立する運動だ。「経営指針成文化セミナー」では経営理念に始まり、10年ビジョン、経営方針、経営計画を策定する。同友会の経営指針づくりが目指すものとは何か。経営者はこのセミナーで何を学ぶのか、レポートする」とリード。
以下は一部抜粋して要約。*詳細は本誌をお読みください。
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セミナーに参加し、修了証を得ることは、真面目に勉強し、活発に議論を戦わす中小企業家の集団、中小企業家同友会の真のメンバーとなるための、実に厳しい第一関門だと言っていい。
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同友会運動の活性化のベースにあるのは「経営指針成文化」活動であり、そこでまず挙げられるべきは「経営理念」の作成であることは間違いあるまい。
もっともこの点に関して、変化の激しい現在、今さら「経営理念」などといったお題目を唱えてみても始まるまいという声が、若い経営者の間から聞こえてきそうである。実は同友会に入会してくる人たちの間にも、そうした声はなくはないと聞く。経営は技術と捉えるMBA出身者などには、ことにそうした傾向が見られるようだ。
しかし、2001年に起きた世界的なエネルギー会社エンロンの経営破綻を機に、お膝もとのアメリカの有力MBAではコーポレートガバナンスとともに、経営者の倫理性を講座に組み込む傾向が強まってきた。別の言い方をすると、資本主義経済、自由主義経済の本場であるアメリカでも、あらためて経営者の倫理性とその規範となる経営理念が重視されるようになってきているのだと言って間違いない。露見さえしなければ、利益を上げるために企業は何をやってもいいという時代は終わりを迎えているのだ。
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(経営指針成文化セミナーは)いずれの同友会の場合でもそうだが、事前に読むべきテキストが決められていて予習が必須であるうえ、毎回の講座終了時に出される宿題は期限内に提出厳守である。遅刻、欠席、早退は認められず、1回でも禁を破ると修了できないことになっている同友会もある。実に厳しいと言っていい。このほか受講者は経営者か、後継者で、かつある期間内に事業を承継することが決まっていることとされる。宮城県のように直近3カ年の決算報告書の提出義務を課すとともに、所属支部の支部長の承認を求める同友会もある。これだけを見ても真面目に、かつ誠実に取り組むこと、会社も自分自身も裸になって立ち向かうこと、さらにそうした資質を有する経営者であることが要求されているとわかる。
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96年に同友会に参加した笹原繁司氏(千葉同友会代表理事)は、いろいろな経歴の人が交じっていて、無断で休んだり、遅刻してきたりする警備員たちを、同友会で学びたての委員会活動により会社の求める人材に育てようと取り組むが、全くうまくいかなかった。そこで悩んだ笹原氏は、千葉同友会の経営指針成文化セミナーに参加する。以下、笹原氏の言葉を一部補いつつ記す。
「まず、『何のために経営していますか』と聞かれ、(お金でしょう、食うためでしょう)と思い、次に『どんな会社にしたいですか』と聞かれ、(俺がどうしようと大きなお世話だろう)、変なことを聞くセミナーだなあと思いました。『あなたにとって社員とは何ですか』社員? 給料払っているんだから仕事するのは当たり前だろ! そう思っていましたが、何のための会社、誰のための会社……と自分なりに考えてみました。『俺の会社』、そう思っていた自分に気付いたような気がします。(社員が自分の考えるように働いてくれないのは)自分に(原因が)あるなんて考えたこともありませんでした」
とにかく経営指針成文化セミナーでは、出席者一人ひとりの、経営力だけでなく、経営者としての人間性までも、自らが考え込み、考え直さざるをえないように、追い立てられていくのである。経営者としての生き方や経営姿勢が問われているのだ。そこに至って初めて、これまで何度も触れてきた同友会の諸原則、諸原理が、自らが発見する形で、「救い」として立ち現れてくるのである。

▼第4 回 なぜ「経営指針づくり」が経営者を育てるのか 2018.06.11 号 (7 月2 日発行号)要約版PDF▼

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