【企業訪問記】民間工事で培われた力が、公共事業参入の強みへ 〜総合評価方式を生かしていきたい

(株)アート設備建設 代表取締役 齋藤 治雄氏(美浜支部)

 デザイナー建築のような社屋をもつアート設備建設は1988年に母と母の知人と現社長の齋藤氏でスタートし翌年に法人化しました。当時は住宅の水廻りの修理、メンテナンス工事が中心でした。ポスティング営業や同業者の下請けを行い、なんとか仕事を確保していましたが、いくら頑張っても薄利で会社の将来が描けない現状から抜け出すために、元請けや一次下請けになりたいとの想いが日に日に強くなっていきました。当時24歳だった齋藤社長は水道局指定工事店に必要な資格を取得し、住宅メーカーから直接仕事を請けられるようになりました。

工事資格など

 ここ数年は千葉県と市からの指名受注工事を増やし、売上全体の2割を占めるまでになりました。近年では公共事業の入札には「総合評価方式」の導入が増えているとのこと。同制度は価格以外の会社側の多様な要素が評価され、落札の判断材料にされます。品質と安全管理はもちろんのこと、現場での創意工夫、例えば工事現場での消音対策や工事スケジュール、工事内容の見える化、AED(自動体外式除細動器)の設置や現場付近の一斉清掃と近隣住民に対しての配慮などがあげられるとのこと。齋藤社長は「こういった流れの中、私たちのように民間工事で培われたホスピタリティが、これからの公共事業参入の強みになります」と意気込みを話します。

 また同社は数年前から労働環境の見直しも進めています。社員が現場から戻ってくるのは午後8時頃が以前では当たり前でしたが、現在は午後5、6時頃になりました。きっかけは20代前半の大学新卒の男性社員の入社でした。その社員が結婚し、土曜日の子供の行事に参加するために有給休暇を積極的にとるようになり、そのことで社内の雰囲気も変わっていきました。齋藤社長はその根底には自身が現場に出なくなったことで、現場で汗水流しながら働く社員への感謝の気持ちが強くなったからではないかと振り返ります。  

 最後にこれからの会社のビジョンを伺うと、「社員が主役で、自分がいなくても続いていく会社にしたい。その土台となる経営指針をつくるために、いま経営指針成文化セミナーで学んでいます」と語られました。

   (事務局 牧本)

◆会社概要…所在地:千葉市稲毛区園生町393-2 資本金:2,000万円 従業員数:20名(内パート・アルバイト1名) 事業内容:給排水衛生設備・空調設備・リフォーム・土木工事設計施工