【企業訪問記】愛を紬ぎ、広げていく。命を大切にするトリミングサロンの挑戦〜今一度、自社の存在意義を問い直す〜

(株)マップ 代表取締役 待山 弘氏(野田支部)

 環境省の調べによると未だ年間数万頭近くの犬猫が殺処分されています。そんな中、経営の主軸をペットの展示販売からトリミングサロンへ転換された待山氏にお話を伺いました。事業を切り替えたきっかけを聞くと「ペットブームの背景にある殺処分、動物保護ボランティアの負担が増えている現実を目の当たりにしたとき、自身にできることを問い直しました。そして当店は理念にある“人とペット幸せ創造店”の為には“ペットの健康を守り、何でも相談できる場”であるべきだという結論に至り、“健康に特化したトリミングサロン”に転換することを決意した」と言います。

 “ペットの気持ちを第一に考え、ペットに優しいトリミング”を謳い、心機一転した同社ですが、新規の方には施術しないこともあるとのこと。「初めての環境や人を前にすると、動物は警戒心を強く抱きます。その環境下で無理に施術を行うとトラウマになってしまいます。当社ではまず“私達に慣れてもらうこと”から始めます。自由に走り回らせたりと、安心してまた来たいと思える環境づくりを大切にしています」。

 また同社では1か月以内の定期的なトリミングを推奨しています。その理由はターンオーバー(皮膚の新陳代謝)と動物への負担を少なくするため。2~3か月に1度では、毛玉が出来たりと手入れに時間がかかり、余計なストレスを与えて、尚且つ店の回転率も下がってしまいます。そこで互いに良い関係を築くため、値段の見直しに乗り出しました。短期間でリピートする方が値段が安くなるプランを発表する時は不安もありましたが、ペットの臭いや被毛などいつも快適に過ごせるようになったと好評、理念に賛同いただけるお客様がリピーターとなり、成果が出始めていると言います。その他にも週に1回獣医師に来てもらい、予防診療を受けられるようにしたり、健康志向のオリジナル商品の開発、ペット用品通販事業の強化、保護動物の譲渡会場の提供にも積極的に取り組んでいます。

 現在では同友会野田支部の仲間も一緒に「NPO法人 Earth as Mother 千葉」を設立、専務理事を務められ、就労準備支援事業も行っています。「他の団体で引きこもりの子に保護犬を育てさせる人間福祉と動物愛護を両立した、“人と動物を生かす自立支援”活動をしている方がいます。地域、企業、行政が連携し、地域の課題に向き合っていく。生活困窮者が増えていく中で、今後は私もそういった取組みをしていきたいと思っています」。“自社の理念の追求”から、“社会にどう貢献していくのか”SDGs 一人も取り残さない 循環型持続可能な世界という見地からも企業の存在意義を問い直す重要性を再確認する訪問となりました。

(事務局 関根)

◆会社概要…所在地:野田市中根40-3 従業員数:15名(うちパート・アルバイト2名) 事業内容:ペットサロン・ペット用品販売