【輝く中小企業の取り組み】地域によりそう電気のしごと~子どもたちの安心と、まちの元気を願って続ける取り組み~

東葛エナジーパートナー(株) 代表取締役 氏田 章氏(流山支部)

氏田 章氏

地域の電気代を下げ、地域に還元する

 2016年4月の電力自由化をきっかけに8年前に独立し、一般家庭から工場・飲食店・施設まで幅広い電気料金の見直しを行い、地域の暮らしと経営を支えています。電気の供給ルートは従来と変わりませんが、自由化によって「電気を買う会社」を選べるようになりました。しかし、この仕組みはまだ十分に知られていません。同氏は、地域の団体に積極的に所属し、学びやボランティア活動を通じて人脈と信頼を築きながら事業を丁寧に伝えています。

 以前は電力部門を担当する会社員でしたが、独立を決意した背景には、地域への強い思いがあります。2005年に流山市に移り住み、子どもたちは幼稚園からずっとこの地域で育ちました。つくばエクスプレス沿線は発展が進む一方で、その他の地域には危険な場所も多く、子どもが安心して遊べる環境とは言い難い状況がありました。「子どもたちが安全に暮らせる街づくりに貢献したい」という思いが募る一方、会社員の立場ではできることに限界があります。そんな時、勤務先に独立支援制度があり、資金面のサポートも受けられたことから、地域に貢献できる道として独立しました。

 現在では、売上の一部を幼稚園やスポーツ団体に寄付するなど、地域に還元する循環が少しずつ形になっています。電力という商材に特別なこだわりがあったわけではありませんが、電気代の削減はお客様の負担なく還元でき寄付を通じて地域にも貢献できるため、「みんなで無理なく地域を良くしていける循環」を実現できる点に価値を感じています。

同社イメージキャラクターとうかつぼうや

孤独な営業から、人と繋がる仕事へ

 独立当初、東葛地域に知り合いはほとんどいませんでした。頼れるのは、前職で身につけたテレアポ中心の営業だけです。毎日300件電話しても契約が取れない日が続き、飛び込み営業も成果が出ず、半年で会社が潰れかねないほど追い込まれたといいます。

 そんな中、流山支部の清水さんとの出会いが大きな転機になりました。清水さんが知人を紹介してくれ、「清水さんの紹介なら」とその日のうちに複数の契約が決まりました。この経験から、「契約は人間関係の上に成り立つ」ということを痛感し、それ以来「約束を守ること」「感謝と謙虚さを忘れないこと」を徹底しています。派手なことではなく、当たり前のことを当たり前に続ける。その積み重ねこそが信頼を生むと考え、地域のつながりを広げながら事業を進めています。

地域に雇用を生み、地域とともに成長する

 現在の課題は人材雇用です。今年中に2名の採用を目標にしています。地域に雇用を生み出すことは、「地域に貢献する」という理念の中でも重要な取り組みです。採用を進めるには、就業規則や給与体系など、これまで必要のなかった仕組みづくりが欠かせないため、勉強を重ねながら制度を整えています。また、事務所環境の見直しも進めており、同友会で築いた仲間との関係性を活かしながら、より働きやすい環境づくりに取り組んでいます。地域で働く人を増やし、地域に根ざした会社として成長していくことが、同社の次のステージです。

「自然と誘える・自然と増える」支部を目指す

 同氏は現在、同友会の新支部長としても活動しています。大切にしているのは、「同友会=楽しい」と感じてもらえる場づくりです。もちろん、学びの場である以上、楽しさだけでは成り立ちません。しかし、自身も関わる時間が増えるにつれ徐々に楽しさを感じるようになったといいます。特に北西ブロックの合同例会で実行委員長を務めた際、流山支部や他支部の仲間が温かく協力してくれた経験は、今の支部づくりの原点になっています。

 こうした「楽しさ」の実感は、自然な増員にもつながると同氏は考えています。本当に好きなラーメン屋なら、自然と人に勧めたくなるように、自分が心から「ここが好きだ」と思える支部であれば、無理に誘わなくても自然と人に声をかけたくなるはずだといいます。そのためには、会員一人ひとりが柔軟性を持ち、前向きに関わり合える環境が必要です。誰でも意見を言える空気があり、みんなで方向性を決めていける場であること、そんな支部をつくりながら地域の未来に関わっていきたいと展望を語ってくれました。

 地域とともに歩みながら成長を続ける同氏の姿勢に、強い魅力を感じました。今後、この循環がさらに広がっていくことが期待されます。

(事務局 米田)

♦会社概要…事業内容:新電力の代理店 所在地:柏市南柏1-2-4 エコロジースクエア4D 資本金:700万円 入会年:2023年

  

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