【輝く中小企業の取り組み】『境界のスペシャリスト』として、地域で頼られる存在でありたい
土地家屋調査士法人 松本中村事務所
土地家屋調査士 中村 剛氏(松戸支部)

不動産登記の専門家と言われる『土地家屋調査士』は、依頼を受けて土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査・測量して、図面の作成や不動産の表示に関する登記の申請手続などを行う仕事、中村氏は「境界のスペシャリスト」と例えます。


銀行員から土地家屋調査士へ転身
中村氏は元々銀行員、29歳の時に一念発起し退職します。土地家屋調査士事務所で補助者として5年間研鑽を重ね、2002年34歳で資格を取得します。「土地家屋調査士をしている友人が居たこと、父が食品卸の会社を経営していたこともあり、自らの力で事業を営むことへの強い思いがあって独立しました。正直5年間は長いですが、資格取得という明確な目標を持っていたのでブレずに進めたと思います」と振り返ります。
翌2003年、住まいのある松戸市内で開業します。土地家屋調査士の主な取引先は不動産仲介業者、銀行員当時の同僚で不動産に転職した仲間のサポートもあり順調な船出を切ります。「開業当時は土日休みなくガムシャラに働きました。土日休む方も多い中、不動産業者・地主さんのいつでも対応してもらいたいという声に応える中で信頼を得ることができたと思います」と語ってくれました。
事務所承継から法人化
2023年に事務所を法人化しますが、きっかけとなったのは同業の松本晃次氏(元会員)との出会いでした。遡ること2005年、今の松戸市幸田に越してきて自宅で事務所を開き、近所で事務所を経営されている松本氏のもとに挨拶に伺ったのが出会いでした。その後は、ご近所同士挨拶をするぐらいのお付き合いでしたが、ふとした時に松本氏から引退を考えていることや後継者について話を聞かされます。そうして2018年に事務所承継の相談を受けたそうです。「松本さんが大きな規模で仕事をされていたこともあり、やってみたいという思いはありましたが、今いるお客様のこともあり、引き継ぐまでに5年かかりました」と語ります。松本氏と半年間行動を共にするなかで、スピーディーな仕事ぶりはもちろん、お客様とのFace to Faceの大切さを学んだそうです。
そうして2023年7月、土地家屋調査士法人 松本中村事務所として新たな一歩を歩み始めました。
地域で頼られる存在に
昨年同友会に入会し学ぶ中で、事務所の強みは何かを考えるようになったそうで、目下、資格者を育てることに注力しています。「法的には1人で仕事はできますが、1人の考えに偏らず複数人で答えを出せるようになることでお客様の信頼度も高まり、結果売上にもつながります」と話し、「ここ幸田地区は古くから何世代も続く農家や地主さんが多い地域、Face to Faceのお付き合いを大切に、頼られる存在であり続けたいですね」と今後の抱負を語っていただきました。
(事務局 逸見)
♦会社概要…事業内容:土地家屋調査士業 所在地:松戸市幸田3-142-3 資本金:50万円 従業員数:2名 入会年:2024年

